14日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:中小型株にシフト、IPOの好調が投資意欲を更に高める
■外資系証券の注文動向:差し引き40万株の買い越し
■前場の注目材料:トヨタ自、パナソニック<6752>とEV角形電池で協業


■中小型株にシフト、IPOの好調が投資意欲を更に高める

14日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になりそうだ。注目された米FOMCでは予想通り、政策金利が引き上げられた。イエレン議長は、経済成長や雇用、労働情勢の堅調さが続くとの認識を示した一方で、18年の利上げ見通しは維持した。NYダウは連日で最高値を更新している。もっとも、S&Pの業種別指数では金融が下げており、イベント通過によるリバランスといったところ。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円安の22660円だった。

米利上げペースは当面加速しないとの見方が広がり、円相場も1ドル112円台半ばでの推移となり、日本株市場も金融株への利益確定の流れが先行しそうである。リバランスの動きから、ハイテク株の買い戻しが意識されそうだが、円高が重しになる格好から、勢いは強まらないだろう。

一方で、個人の投資意欲は強いだろう。昨日はIPO4社のうち、東証1部のSGホールディングス<9143>、マツオカコーポレーション<3611>、マザーズのグローバル・リンク・マネジメント<3486>の3社が寄り付いている。JASDAQのヴィスコ・テクノロジーズ<6698>は買い気配で初日は寄らず。SG、マツオカは、寄付き後は利食いに押されているものの、両社ともにコンセンサスを大きく上回る好スタートとなっており、グローバル・リンクについては、コンセンサスを大きく上振れたほか、寄付き後一段高をみせるなど、センチメントを明るくさせている。

また、前日にIPOした一家ダイニングプロジェクト<9266>の初値は6700円となり、その後一時7700円とストップ高を付けている。IPOの好調が投資意欲を更に高める格好となり、中小型株への活発な売買につながろう。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き40万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り460万株、買い500万株、差し引き40万株の買い越しとの観測。

12月 07日(木):760万株の買い越し
12月 08日(金):720万株の買い越し
12月 11日(月):110万株の買い越し
12月 12日(火):460万株の買い越し
12月 13日(水):250万株の売り越し


■前場の注目材料

・FOMC、2018年の成長は加速、労働市場は依然強いと予想
・米税制改革実現への期待
・NYダウは上昇(24585.43、+80.63)
・ナスダックは上昇(6875.80、+13.48)
・マザーズ指数は上昇、(1187.65、+6.03)
・NY金は上昇、(1248.6、+6.9)
・IPO、好調な初値形成


・トヨタ自<7203>、パナソニック<6752>とEV角形電池で協業
・東芝<6502>、WDと和解、メモリー生産共同投資へ 再建大きく前進


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・09:30  豪・失業率(11月)  5.4%  5.4%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~中小型株にシフト、IPOの好調が投資意欲を更に高める