■NY株式:ダウ58ドル高、税制改革実現への期待が強まるもハイテク株に売り

4日の米国株式相場はまちまち。ダウ平均は58.46ドル高の24290.05、ナスダックは72.22ポイント安の6775.37で取引を終了した。週末に上院で税制改革案が可決され、年内の税制改革実現に楽観的な見方が広がり、買いが先行。10月製造業受注指数も予想より小幅な減少に留まった。ダウやは堅調推移となり、最高値を更新した一方で、税制改革の恩恵を受けにくいとの見方からハイテク株に売りが広がり、ナスダック総合指数は下落した。セクター別では、メディアや運輸が上昇する一方で半導体・半導体製造装置やソフトウェア・サービスが下落した。

医療保険のエトナ(AET)はCVSヘルス(CVS)と690億ドルで買収合意したが下落。米国外での売上比率が高く、既に実効税率の低いハイテク大型株は減税による恩恵を受けにくいとの見方から、SNSのフェイスブック(FB)やネット小売のアマゾン(AMZN)など主要ハイテク株の下落が目立った。一方で、ケーブル製造のゼネラル・ケーブル(BGC)は伊の同業プリスミアンによる買収が報じられ、35%近い急騰。食材宅配サービスのブルーエプロン(APRN)はバークレイズによる投資判断引き上げを受け大幅上昇。税制改革実現で収益性の向上が予想されるゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融関連企業が軒並み買われた。

税制改革によって法人税減税が実現すれば、足元の利益の観点から割安なバリュー銘柄が成長株よりも恩恵を受けることになり、バリュー株を見直す機運が高まっている。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:株高一服でリスク選好的なドル買い縮小

4日のニューヨーク外為市場でドル・円は、113円09銭まで上昇後、一時112円37銭まで反落し、112円42銭で引けた。米上院は2日までに税制改革案を可決したことを好感して、リスク選好のドル買い・円売りが先行した。しかしながら、株高が一服したことや原油先物の反落を意識してリスク選好的なドル買いはやや縮小した。ユーロ・ドルは、1.1867ドルから1.1829ドルまで下落したが、取引終了前に1.1868ドルまで反発し、1.1865ドルで引けた。ユーロ・円は、133円97銭から133円27銭まで下落した。ポンド・ドルは、1.3530ドルまで買われた後に一時1.3414ドルまで急反落した。英国と欧州連合(EU)の4日期限の離脱協議は完全にはまとまらなかったため、失望感が広がりポンド売りが活発となった。ドル・スイスは、0.9825フランから0.9867フランまで上昇した。米国の政治不安はやや後退したことから、安全逃避的なフラン買いは一服した。


■NY原油:続伸で57.47ドル、利食い売り優勢の展開

1日のNY原油先物1月限は反落(NYMEX原油1月限終値:57.47 ↓0.89)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比-0.89ドルの57.47ドルで取引を終えた。一時57.43ドルまで下落した。米国内でシェールオイルの生産増加が予想されたことや、原油在庫がさらに減少する可能性は低いとの見方が浮上したことが要因。利食い売りに押される展開となった。なお、サウジ石油相は「石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国は市場が均衡するまで減産路線を変更しない」との見方を示している。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  29.06ドル +0.96ドル(+3.42%)
モルガン・スタンレー(MS) 52.68ドル +0.73ドル(+1.41%)
ゴールドマン・サックス(GS)250.65ドル +1.70ドル(+0.68%)
インテル(INTC)      44.49ドル -0.19ドル(-0.43%)
アップル(AAPL)      169.80ドル -1.25ドル(-0.73%)
アルファベット(GOOG)   998.68ドル -11.49ドル(-1.14%)
フェイスブック(FB)    171.47ドル -3.63ドル(-2.07%)
キャタピラー(CAT)     141.50ドル -0.02ドル(-0.01%)
アルコア(AA)       41.79ドル +0.15ドル(+0.36%)
ウォルマート(WMT)     97.01ドル -0.34ドル(-0.35%)
スプリント(S)       5.95ドル -0.02ドル(-0.34%)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 4日の米国市場ダイジェスト:ダウ58ドル高、税制改革実現への期待が強まるもハイテク株に売り