■NY株式:ダウ40ドル安、政権運営への先行き懸念が強まる

1日の米国株式相場は下落。ダウ平均は40.76ドル安の24231.59、ナスダックは26.39ポイント安の6847.59で取引を終了した。朝方は小動きで始まったものの、フリン前米大統領補佐官がFBIへの虚偽供述で有罪答弁を行い、政権運営への先行き不透明感から大幅下落。その後は米上院による税制改革案の本会議採決への楽観的な見通しから下げ幅を縮小したものの、相場を押し上げるには至らなかった。セクター別では、メディアやエネルギーが上昇する一方で資本財や半導体・半導体製造装置が下落した。

半導体のクアルコム(QCOM)は同業NXPセミコンダクターズ(NXPI)の買収難航が報じられ、下落。自動車大手のゼネラル・モーターズ(GM)は11月の新車販売台数が前年同期比で減少し、売られた。一方で、製薬のマイラン(MYL)は、ヘルスケア市場への参入を計画するネット小売のアマゾン(AMZN)と協議を行ったことが報じられ、上昇。OPEC(石油輸出国機構)とロシアを含む非OPEC加盟国が減産合意を18年末まで延長することに合意し、石油サービスのハリバートン(HAL)やシュルンベルジェ(SLB)などエネルギー銘柄が堅調推移となった。

上院の税制改革案が可決されても、下院と法案一本化のすり合わせを行い、再び一本化された法案について両院で採決する必要がある。年内は15日までで議会は休会となることから、年内の税制法案成立は予断を許さない状況だ。


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■NY為替:米税制改革期待もトランプ米政権がロシア疑惑で危機に直面

1日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円87銭まで上昇後、111円41銭まで反落した。米国税制改革案で、上院が可決に必要な十分な票を獲得したとの報道を好感しドル買いが優勢となった。その後、前米大統領補佐官のマイケル・フリン氏が「ロシア疑惑」の捜査で、米連邦捜査局(FBI)に虚偽の説明をしていた疑いで訴追されたことに対し、トランプ大統領に不利な証言をするとの報道が嫌気され、警戒感からリスク回避のドル売り・円買いに拍車がかかった。ユーロ・ドルは、1.1851ドルまで下落後、1.1935ドルまで反発した。ユーロ・円は、133円91銭から132円92銭まで下落。リスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.3523 ドルまで上昇後、1.3445ドルへ反落。ドル・スイスは、0.9871フランへ上昇後、0.9735フランへ反落した。


■NY原油:続伸で58.36ドル、減産体制の期限延長を受けた買い継続

1日のNY原油先物1月限は続伸(NYMEX原油1月限終値:58.36 ↑0.96)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物1月限は前日比+0.96ドルの58.36ドルで取引を終えた。主要産油国による減産によって世界的な原油供給超過への懸念は後退し、NY原油先物は強い動きを見せた。石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟国は11月30日の総会で原油の協調減産期限を2018年末まで延長したことが、この日の取引でも引き続き材料視された。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  28.10ドル -0.07ドル(-0.25%)
モルガン・スタンレー(MS) 51.95ドル +0.34ドル(+0.66%)
ゴールドマン・サックス(GS)248.95ドル +1.31ドル(+0.53%)
インテル(INTC)      44.68ドル -0.16ドル(-0.36%)
アップル(AAPL)      171.05ドル -0.80ドル(-0.47%)
アルファベット(GOOG)   1010.17ドル -11.24ドル(-1.10%)
フェイスブック(FB)    175.10ドル -2.08ドル(-1.17%)
キャタピラー(CAT)     141.52ドル +0.37ドル(+0.26%)
アルコア(AA)       41.64ドル +0.13ドル(+0.31%)
ウォルマート(WMT)     97.35ドル +0.12ドル(+0.12%)
スプリント(S)       5.97ドル -0.02ドル(-0.33%)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 1日の米国市場ダイジェスト:ダウ40ドル安、政権運営への先行き懸念が強まる