1日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は小幅下落、5日線接近の局面では押し目拾いのスタンス
・ドル・円はもみあい、米税制改正実現に期待継続
・RIZAPグループ<2928>関連が一時ストップ高


■日経平均は小幅下落、5日線接近の局面では押し目拾いのスタンス

日経平均は小幅に下落。0.85円安の22724.11円(出来高概算8億8000万株)で前場の取引を終えた。11月30日の米国市場は、NYダウが300ドルを超す上昇となり、連日で最高値を更新。足元で大きく売られていたアップル、アマゾンなどFANG株を中心にハイテク株に買い戻しが広がったことも材料視される格好から、日経平均は22900円を回復して始まった。その後一時22994.31円まで上げ幅を広げたが23000円にあと一歩届かず。225先物は23000円にタッチしたが、その後は急速に値を消している。

東証1部の騰落銘柄は値下がり数が1000を超えており、過半数を占めている。セクターでは非鉄金属、不動産、パルプ紙、電力ガス、陸運、水産農林、情報通信が下落。鉱業、石油石炭、鉄鋼、機械、保険、化学が堅調だった。指数インパクトの大きいところでは、TDK<6762>、京セラ<6971>、コムシスHD<1721>、アルプス<6770>が軟調。一方で、信越化<4063>、ファナック<6954>、コナミHD<9766>、ソフトバンクG<9984>がしっかり。

225先物は23000円タッチ後に値を消す格好となった。TOPIXが下げていることもあり、後場は日銀のETF買い入れによる需給が意識されるため、再びプラス圏を回復してくることが期待される。また、日経平均は5日線を上回っての推移を続けており、売り仕掛け的な動きも出難いだろう。5日線接近の局面では押し目拾いのスタンスとなり、もち合いレンジの上限レベルでの利益確定といったところ。しばらくはハイテクの底打ち、内需系への資金シフトを見極めたいところであろう。


(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円はもみあい、米税制改正実現に期待継続

1日午前の東京市場でドル・円はもみあい。日本株は反落したが、米税制改正法案の成立期待でドル買い基調は続いた。

日経平均株価は前日比約200円高で寄り付いた後に反落した場面で、リスク選好的なドル買い・円売りは後退。ただ、米税制改正法案成立への期待感からドル買い基調が継続。

ランチタイムの日経平均先物はプラス圏で推移し、目先の日本株再浮上を見込んだドル買い・円売りが観測される。また、中国株高で警戒の円買いも後退しているようだ。

ここまでの取引レンジは、ドル・円は112円32銭から112円70銭、ユーロ・円は133円82銭から134円04銭、ユーロ・ドルは1.1887ドルから1.1916ドルで推移した。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・<7448>ジーンズメイトや<7577>パスポートがストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・前場の値下がり寄与トップはTDK<6762>、同2位は京セラ<6971>
一方、前場の値上がり寄与トップは信越化<4063>、同2位はファナック<6954>


■経済指標・要人発言

・麻生財務相
「円の通貨として価値が上がりつつある」

・雨宮日銀理事
「強力な金融緩和を粘り強く続けていく必要がある」

・日・10月全国消費者物価コア指数:+0.8%(前年比予想:+0.8%、9月:+0.7%)

・日・10月失業率:2.8%(予想:2.8%、9月:2.8%)

・日・10月有効求人倍率:1.55倍(予想:1.52倍、9月:1.52倍)

・日・10月全世帯家計調査・支出:0.0%(前年比予想:-0.3%、9月:-0.3%)

・日・7-9月期法人企業統計調査・設備投資:+4.2%(前年比予想:+3.2%、4-6月期:+1.5%)

・中・11月財新製造業PMI:50.8(予想:50.9、10月:51.0)


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし



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情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~5日線接近の局面では押し目拾いのスタンス