■軟調推移、カタルーニャ自治州の独立宣言などが嫌気される

先週のユーロ・ドルは弱含み。欧州中央銀行(ECB)は「債券購入を2018年1月から9月末まで、月額300億ユーロに縮小」と、予想通りの決定をしたことや、スペイン・カタルーニャ自治州議会は27日、独立に関する動議を賛成多数で可決し、スペインからの独立を宣言したことから、ユーロは一時1.1575ドルまで下落。7-9月期米国内総生産は予想を上回る伸びを記録したこともユーロ売り材料となった。取引レンジ:1.1575ドル-1.1837ドル。

■弱含みか、ECBの慎重姿勢で売り先行

今週のユーロ・ドルは弱含みか。31日発表の7-9月期ユーロ圏域内総生産(GDP)が堅調でも欧州中銀(ECB)の金融正常化への慎重なスタンスを意識して、ユーロは買いづらい展開となりそうだ。米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融正常化の方針が再確認されるとみられており、12月追加利上げを想定してユーロ安・ドル高の流れは続く見通し。

予想レンジ:1.1500ドル−1.1700ドル

■反落、カタルーニャ自治州の独立宣言が嫌気される

先週のユーロ・円は反落。日本の総選挙での与党圧勝を受けて、アベノミクス加速・日銀の異次元金融緩和の継続への思惑から円売りが先行した。しかしながら、欧州中央銀行(ECB)が穏健な量的緩和縮小の方針を決定したことやスペイン・カタルーニャ自治州議会が独立を宣言したことから、ユーロ売りが優勢になり、対円レートは反落した。取引レンジ:131円75銭-134円50銭。

■もみ合いか、日銀は緩和方針継続へ

今週のユーロ・円はもみ合いか。スペインのラホイ首相はカタルーニャ議会を解散、12月21日に選挙実施すると発表したが、カタルーニャ自治州の独立問題がすみやかに解決される保証はないとの見方が多い。一方、30-31日開催の日銀金融政策決定会合では緩和的な政策を継続するスタンスが見込まれており、ユーロ売り・円買いが大きく広がる状況ではないとみられる。

○発表予定のユーロ圏主要経済指標・注目イベント
・10月31日:9月失業率(予想:9.0%、8月:9.1%)
・10月31日:7-9月期域内総生産(前年比予想:+2.4%、4-6月期+2.3%)
・10月31日:10月消費者物価コア指数(前年比予想:+1.1%、9月:+1.1%)

予想レンジ:131円00銭-133円00銭




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情報提供元: FISCO
記事名:「 ユーロ週間見通し:もみ合いか、日銀は緩和方針継続へ