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■株式相場見通し
予想レンジ:上限21900-下限21100円
来週は衆院選の結果を受けた政策期待が改めて高まる可能性がありそうだ。予想通りに与党勝利となれば、アベノミクス加速へのご祝儀相場からの上昇も見込まれ、日経平均は15連騰という新記録が意識されよう。よりセンチメントが高まりやすく、先高観が強まることになろう。もっとも、20日の米国市場では米上院が2018会計年度予算の大枠となる予算決議案を51対49の僅差で可決。トランプ政権が目指す大型減税の議会審議が本格化するとの見方からNYダウなど主要な株価指数は高値を更新しており、シカゴ先物は21500円を突破している。
また、需給面では10月第2週の投資部門別株式売買動向によると、海外投資家は現物を3週連続で買い越し、先物も2週連続で買い越している。10月3週についても、日経平均が連日で年初来高値を更新するなか、海外投資家の買いは続いた可能性が高い。世界的な景気回復は持続、しかも加速している。成長が不安定で金融市場が混乱していた2016年初めの世界経済とは、状況が様変わりしている。循環的回復基調の加速が、欧州、中国、日本、米国、およびアジア新興国の経済を押し上げるなか、相対的に出遅れている日本市場への資金流入が今後も継続する可能性が高いだろう。
日経平均は短期的には過熱感が警戒されるものの、海外勢の継続的な資金流入による指数押し上げのため、資金が向かっている主力大型株主導の相場展開が続きやすい。一方、10 月第2週の個人投資家は総合で売り越しである。上昇局面で利益確定を進めている状況といったところであろう。市場シェア6割を超える海外投資家による実需での上昇のため、過熱感に対してそれ程気にすることはなさそうだ。
とはいえ、日経平均の15連騰でいったんは達成感が意識されやすいほか、今週は決算発表が本格化する。そのため、決算内容を見極めたいとの流れから、本来であれば次第に様子見ムードが強まりやすい。まずは23日の安川電機<6506>、24日の日本電産<6594>の決算評価、その後の市場反応を見極めたいところである。この流れが、その後発表される企業の決算期待となって、相場の押し上げ要因になるかが注目されるところであろう。
その他、米国ではアルファベット、アマゾンといったFANG銘柄の決算が予定されている。再評価の流れとなれば、日本のハイテク株への刺激材料になるとみられる。一方で日経平均が達成感からこう着感を強めたとしても、先高感は根強いなかで物色意欲が強い。主力大型株への一巡感がみられるようだと、相対的に出遅れている中小型株へ資金の広がりが意識されそうだ。しばらくは海外投資家による資金流入の変化、および主力大型株から中小型株へのシフトがみられるかを見極めたいところである。日経平均の歴史的な上昇のなか、個人主体の中小型株については、出遅れ感が相当強まっている状況である。
経済スケジュールでは、24日にユーロ圏総合PMI、ユーロ圏製造業PMI、25日に米耐久財受注、米新築住宅販売件数、独Ifo景況感指数、英7-9月GDP速報値、26日に米中古住宅販売成約指数、ECB理事会、27日に米7-9月GDP速報値、米ミシガン大学消費者マインド指数、中国工業利益が予定されている。その他イベントでは、25日から東京モーターショーが開幕する。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋る展開が予想される。22日投開票の衆院選の結果が材料視されそうだ。選挙戦終盤の情勢調査によると、野党共闘が実現できなかったことなどから、自民・公明の与党が300議席超と、勝敗ラインの過半数233議席を大きく上回る見通しとなっている。安倍政権の存続を好感した株買い・円売りは継続するとみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事は引き続き注目される。トランプ大統領は11月3日からのアジア歴訪前にFRB議長人事を固める意向。テイラー氏とパウエル氏の両名が最有力候補となっているが、タカ派寄りとされるテイラー氏が指名された場合、米長期金利はさらに上昇し、ドル高・円安が進行する可能性がある。
■来週の注目スケジュール
10月23日(月):安倍首相会見、中不動産価格指数など
10月24日(火):伸銅品出荷統計、独製造業PMI、ユーロ圏製造業PMIなど
10月25日(水):独IFO景況感指数、米耐久財受注、米新築住宅販売件数など
10月26日(木):米中古住宅販売成約指数、アルファベット、アマゾン決算など
10月27日(金):米7-9月GDP、米ミシガン大学消費者マインド指数など
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