2日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。



■株式見通し:衆議院選挙への思惑等が変動要因に

■外資系証券の注文動向:差し引き100万株の売り越しとの観測

■前場の注目材料:ノーベル医学生理学賞



■衆議院選挙への思惑等が変動要因に


2日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開になろう。29日の米国市場は、税制改革案の恩恵を受けるハイテク株が選好される一方で、同法案の成立に懐疑的な見方や赤字拡大を懸念する向きから積極的な買いが入りにくく、上値の重い展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比10円安の20350円となり、手掛かりに欠けよう。

また、今週は衆議院選挙への思惑等が相場の変動要因になりそうだ。小池新党「希望の党」が台風の目となるなか、衆院選で与党が苦戦して国内政治が不安定化する懸念も浮上している。そのため、世論調査などの報道に振らされやすい相場環境になろう。

その他、先週末には防衛関連の一角が動意をみせていた。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)関連で北朝鮮軍の兆候がとらえられたとの報道もあり、朝鮮労働党の創立記念日を10月10日に控え、北朝鮮情勢の緊張等も引き続き上値の重しになる。トランプ米大統領は、北朝鮮に対話の意思の有無を尋ねていると公言したティラーソン国務長官に「時間の無駄だと伝えた」とツイッターに投稿したと報じられている。

経済イベントでは10月2日に日銀短観(9月調査)が発表される。コンセンサスは大企業・製造業DIがプラス18と前回6月調査に比べて1ポイント改善する見込み。また、医学生理学賞を皮切りにノーベル賞受賞者が発表される。医学生理学では、免疫やゲノム編集の分野で本庶佑京都大特別教授が有力視されている。

なお、2-6日の中国株式市場は国慶節の祝日のため休場となる。そのため商品相場の動向はこう着感が強まりやすく、資源関連などへの物色は手控えられる可能性がある。

(情報配信部長・アナリスト 村瀬智一)




■外資系証券の注文動向:差し引き100万株の買い越し


朝の外資系証券5社経由の注文状況は、
売り500万株、買い400万株、差し引き100万株の売り越しとの観測。



09月25日(月): 600万株の買い越し
09月26日(火): 430万株の買い越し
09月27日(水): 680万株の売り越し
09月28日(木): 380万株の買い越し
09月29日(金): 380万株の買い越し



■前場の注目材料

・NYダウは上昇(22405.09、+23.89)
・希望の党警戒でアベノミクスに危機感
・北朝鮮交渉「時間の無駄」トランプ氏、ツイッターに投稿
・シカゴ日経平均先物(20350、-10)
・ノーベル医学生理学賞発表
・中国市場は祝日のため休場(国慶節)

*前田建<1824>出資先VBが接合剤量産へ、高温耐性・次世代パワー半導体向け
*日産自<7201>登録手続き中止、国内在庫車両、国内完成検査で不備
*日立化成<4217>協和メデックス買収、200億円、診断薬事業を強化
*ヤマトHD<9064>27年ぶり値上げ開始

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・日銀短観(大企業製造業DI)(7-9月)

<海外>
・特になし






<TM>

情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~衆院選思惑、北朝鮮情勢、ノーベル医学生理学賞