15日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は小幅上昇、底堅さ意識も上値追いは慎重
・ドル・円は110円16銭、下げ渋りも、北朝鮮への警戒続く
・シスロケやコムシードがストップ高

■ 日経平均は小幅続伸、中小型株に利益確定の動き強まる

日経平均は小幅に上昇。19.40円高の19826.84円(出来高概算7億4000万株)で前場の取引を終えた。北朝鮮からのミサイルが北海道上空を通過し、襟裳岬東方の太平洋上に落下したと発表。地政学リスクへの警戒から日経平均は小幅に続落して始まった。しかし、昨日の段階で兆候がみられていたこともあり、寄付き直後には上昇に転じている。しかし、連休を控えていることもあって商いは膨らまず、19800円前半レベルでのこう着が続いている。

東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。セクターでは鉱業、ガラス土石、保険、石油石炭、銀行、精密機器、輸送用機器が堅調。半面、小売が下落率トップ。電力ガス、陸運、鉄鋼、サービスが小安い。

日経平均は直近戻り高値水準に位置する75日線辺りでの底堅さが意識される。TOPIXはプラス圏で推移していることもあり、日銀のETF買い入れへの期待は高まらず、引き続きこう着感の強い相場展開になりそうである。ただし、北朝鮮の地政学リスクへの警戒感から積極的な売買は期待しづらく、リバランス中心になりそうだ。

その他、中小型株も比較的堅調ではあるが、引けにかけてはポジション調整の動きに注意したいところである。テーマ株等についても動きの鈍さが意識されてくるようだと、一気に利益確定の動きが広がりやすい。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は110円16銭、下げ渋りも、北朝鮮への警戒続く

15日午前の東京外為市場で、ドル・円は戻りが鈍い。北朝鮮の弾道ミサイル発射で一時109円台に下げた後すぐに値を戻したが、警戒は続きドル買いには慎重のようだ。

北朝鮮が本日早朝に発射した弾道ミサイルは、北海道の沖合に着水。前回に続き日本上空を通過したことが確認され、警戒が強まった。ドル・円はこれを受け、一時109円半ばまで値を切り下げた。

ただ、前日発表された米8月消費者物価指数(CPI)が堅調な内容だったことから、ミサイル発射の兆候を察知していた投資家が109円台で買戻しを入れたようだ。

ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移しており、目先の日本株安を警戒からドル買い・円売りは弱まったようだ。また、国内勢による買戻しは一巡したもようで、ドルの上昇基調が強まる展開は想定しにくい。

12時25分時点のドル・円は110円16銭、ユーロ・円は131円24銭、ポンド・円は147円55銭、豪ドル・円は88円06銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・シスロケ<2480>やコムシード<3739>がストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます


■経済指標・要人発言

・トランプ米大統領
「イエレンFRB議長に敬意を表している、株式相場は順調」
「FRB議長に関する決定はまだ」
「DACA、合意に近い」

・日本政府関係筋
「北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射する兆候」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~ 日経平均は小幅上昇、底堅さ意識も上値追いは慎重