11日の日経平均は大幅に反発。270.95円高の19545.77円(出来高概算14億9000万株)で取引を終えた。終値ベースでの19500円回復は9月4日以来、5営業日ぶり。北朝鮮による9月9日の建国記念日においてのICBMの発射は行われなかったこともあり、一先ず安心感につながっている。また、7月の機械受注がコンセンサスを大きく上回ったことも材料視されている。その他、大型ハリケーン「イルマ」が米南部フロリダ半島の南西部に上陸したが、イルマの勢力は「カテゴリー2」に弱まったことも買い戻しに向かわせる一因になったとみられる。これにより、先週のリスク回避の中で売り込まれた部分の買戻しが強まった格好であろう。

ただし、19500円での推移のなか、午後の値幅は40円程度と狭いレンジ取引であり、出来高も15億株を超えられない状況からみると、インデックスに絡んだ売買が中心とみられる。米国は北朝鮮への新たな制裁のため11日に国連安全保障理事会で決議案の採決を求めている。新たな制裁内容次第では北朝鮮によるミサイル発射の可能性もあるとみられ、これを見極めたいとする手控えもあろう。また、自律反発としては理想的な水準まで戻しており、想定内のこう着といったところである。

明日は安保理決議の内容と、これを受けた北朝鮮の動向に関心が集まりそうである。また、円相場はやや円安に振れて推移していたが、米国の利上げ観測が後退し、米長期金利が低下傾向のなか、日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りも入りやすい需給状況だろう。インデックスに絡んだリバランス中心の商いが続きそうであり、日経平均は足元のもち合いレンジ水準での推移が続くことになろう。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 明日は安保理決議を受けた北朝鮮の動向に注視【クロージング】