東京金融取引所(金融取)が手掛ける取引所為替証拠金取引「くりっく365」では、8月の取引数量は前月比4.0%増の239万8495枚。1日の平均取引数量は10万4282枚と前月比で減少した一方、月末時点の証拠金預託額は4481億円と前月比10億円増加した。取引通貨量では、米ドル、南アフリカランド、トルコリラの順となっており、南アフリカランドは8ヶ月連続で2位、トルコリラは5ヶ月連続で3位となっている。なお、10月30日にはメキシコペソ・円が新規上場する。取引通貨量ランキングでは上位の南アフリカランドや、トルコリラなどと同様に高いスワップポイントが期待できることから投資家の注目が集まることとなろう。

一方、取引所株価指数証拠金取引「くりっく株365」では、8月の取引数量は前月比35.7%増の71万6924枚。1日の平均取引数量も3万1252枚と前月比では増加したほか、月末時点の証拠金預託額は537億円と前月比では11億円増加した。くりっく株365の月末時点の口座数及び証拠金残高は過去最高を更新している。

8月の株式、為替市場はともに主要株価指数は膠着感の強まる展開となった。とりわけ日本株は7月同様、外国人投資家の売り圧力によって上値は重い。一方、日銀によるETF買入実施などが意識されて下値も堅く、狭いレンジでの推移が続いている。北朝鮮リスクは高いものの、米朝による軍事衝突は回避されるとの見方からボラティリティは低いまま。

9月も株式市場は動意に欠ける展開となりそうだが、為替市場ではユーロを中心に動意付く可能性がある。7日に欧州中央銀行(ECB)理事会の政策決定会合が開催されるが、市場ではドラギ総裁が足元のユーロ高に対するけん制発言を行うかに注目が集まっている。仮に行った場合、ユーロ売りの売買フローが増加する一方、ドルの買戻しが活発化すると想定。9月はトルコリラ、南アフリカランドなど新興国通貨も注目だが、主要通貨の動向も注視したい。

(写真提供:東京金融取引所)



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情報提供元: FISCO
記事名:「 9月の「くりっく365」は ユーロの動向に注目