24日の米国株式相場は下落。ダウ平均は28.69ドル安の21783.40、ナスダックは7.08ポイント安の6271.33で取引を終了した。主要小売決算が好感され、買いが先行。ライアン下院議長が税制改革法案の年内通過や債務上限引き上げに自信を示したものの、明日開催される金融・経済シンポジウムでのイエレン議長らの講演内容を見極めたいとの思惑から様子見姿勢が広がった。しかしながら、アマゾン(AMZN)による食料品スーパーのホールフーズ(WFM)の買収完了見通しを受け、小売各社に売りが広がり、引けにかけて下落した。セクター別では、医薬品・バイオテクノロジーや耐久消費財・アパレルが上昇する一方で食品・生活必需品小売や食品・飲料・タバコが下落した。

ホールフーズは株主による承認を受けて、アマゾンによる買収完了を28日に予定しており、同日から人気商品の値下げを行う計画を発表すると、競合のスプラウツ・ファーマーズ・マーケット(SFM)、クローガー(KR)、ウォルマート(WMT)などが軒並み下落。食品のJMスマッカーやホーメルフーズ(HRL)は決算で通期見通しの引き下げが嫌気され、軟調推移。一方で、装飾品小売のシグネット・ジュエラーズ(SIG)は決算内容が好感され、大幅上昇。ディスカウントストアのダラー・ツリー(DLTR)は通期見通しが予想を上振れ、堅調推移となった。

アマゾンのプライム会員は、統合完了後にホールフーズで特別割引を受けることが可能になるが、これらの施策は手始めに過ぎないとしており、本格的な融合が進めば、既存の小売各社は一段とアマゾンの脅威に怯えることになるだろう。

Horiko Capital Management LLC



<TM>

情報提供元: FISCO
記事名:「 NY株式:ダウ28ドル安、食品小売業界に売りが広がる