今日の欧米外為市場では、ドル・円は弱含む展開を予想する。米韓合同軍事演習が開始され、米朝の突発的な衝突への警戒が広がりやすい見通し。また、米ワイオミング州ジャクソンホールで開催される年次総会を前に、連邦準備制度理事会(FRB)の金融正常化方針を見極めようと、ドル買いは手控えられそうだ。

米韓両軍は本日午前、予定通り合同軍事演習を開始した。核・ミサイル開発で米国と対立する北朝鮮はグアム周辺へのミサイル発射を示唆したものの、金正恩朝鮮労働党委員長は米国の行動を「もう少し見守る」とし、両国の緊張はやや緩和したとみられていた。しかし、金委員長は軍事演習の開始を受け「火に油を注ぐように情勢をさらに悪化させる」と反発。市場参加者は31日の演習終了までの間に両国の突発的な衝突に警戒を強めている。
週明けのアジア市場では、トランプ米大統領が側近のバノン首席戦略官兼上級顧問を解任し、人種差別主義を容認したとの政権への批判を封じたことで、トランプ大統領による政策運営への不安はいったん収束。ドル・円は109円42銭まで上昇した。ただ、ホワイトハウス内の主導権争いは今後も常態化する見通し。バノン氏解任に伴うドルの買い戻しは長続きせず、今晩の海外市場でもドル売り基調に変わりはないだろう。

一方、FRBの姿勢を見極めたいとのムードも、ドルの買い戻しを消極的にさせている。イエレンFRB議長は24日からジャクソンホールで開催される年次総会での講演で、金融正常化方針は堅持しながらも、慎重姿勢を示すことが見込まれる。ただし、前週末に発表された米国の8月ミシガン大学消費者信頼感指数の予想上振れを踏まえ、今晩21時半の7月シカゴ連銀全米活動指数で経済動向の強さが示されれば、年内追加利上げ観測が高まり、ドルを下支えする手がかりとなりそうだ。(吉池 威)

【今日の欧米市場の予定】
・21:30 米・7月シカゴ連銀全米活動指数(予想:0.10、6月:0.13)




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情報提供元: FISCO
記事名:「 欧米為替見通し: ドル・円は弱含みか、朝鮮半島有事への警戒続く