17日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は小幅続落、物色の流れは中小型株にシフトも打診買いの域
・ドル・円は109円91銭、弱含み、トランプ政権の先行き不透明感で
・ベクターやマルタイなどがストップ高


■日経平均は小幅続落、物色の流れは中小型株にシフトも打診買いの域

日経平均は小幅に続落。15.66円安の19713.62円(出来高概算7億2000万株)で前場の取引を終えている。16日の米国市場では、北朝鮮情勢に対する懸念後退を受けて買いが先行。注目されたFOMC議事録では、大半の当局者が次回会合でのバランスシート縮小開始を支持。一方でインフレ率が予想よりも長く停滞するとの認識を示し、発表後の相場はもみ合う展開となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比20円安の19710円となり、円相場はやや円高に振れて推移するなか、売り先行で始まった。

ただし、寄付き直後につけた19679.37円を安値に下げ渋りをみせ、プラスに転じる場面もみられた。参加者が限られる中で売り込む流れにはならず、前日終値を挟んでのもみ合いが続いている。セクターでは鉱業、保険、食料品、証券、銀行、医薬品が下落。一方で、海運が上昇率トップ。鉄鋼、石油石炭、非鉄金属、パルプ紙が上昇。東証1部の値上がり数は1100を超えており、全体の過半数を占めている。

日経平均は一時19700円を下回る場面もみられたが、5日線処での底堅さも意識されており、前日終値を挟んでの狭いレンジでの取引が続いている。指数インパクトでは、ファーストリテ<9983>、セコム<9735>、トレンド<4704>の下げが重しとなっている。ただし、こう着感の強い相場展開は想定内であり、昨日同様、東証マザーズ、JASDAQ、東証2部指数はプラス圏で推移しており、物色の流れは中小型株にシフトしているようである。

夏季休暇シーズンで機関投資家は積極的には動いておらず、個人主体の中小型株による値幅取り狙いの売買が続きそうである。もっとも、足元で売り込まれていた銘柄への自律反発を狙った動きが中心とみられ、打診買いの域は脱していないだろう。テーマ株についても、一角に集中するというよりは、循環的な物色になりそうだ。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は109円91銭、弱含み、トランプ政権の先行き不透明感で

17日午前の東京外為市場で、ドル・円は弱含み。米国のトランプ政権への先行き不透明感からリスク回避的な円買いが強まった。

米バージニア州の白人至上主義者と反対派の衝突で、トランプ大統領が迅速に抗議しなかった問題で、戦略・政策評議会と製造業評議会のトップが相次いで辞任。これを受け、政策運営が停滞するとの懸念が広がり、ドル売りに振れやすい地合いとなっている。

ただ、ドル・円は一時109円67銭まで下げたが、足元は売り一服。ランチタイムの日経平均先物はマイナス圏で推移しているものの、日経平均株価は前引けにかけて下げ幅を縮小しており、株高反転への期待からリスク回避の円買いは後退しそうだ。

12時30分時点のドル・円は109円91銭、ユーロ・円は129円44銭、ポンド・円は141円83銭、豪ドル・円は87円20銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ベクター<2656>やマルタイ<2919>などがストップ高
※一時ストップ高・安(気配値)を含みます


■経済指標・要人発言

・FOMC議事要旨
「多くのメンバー、インフレは2%割れで予想より長期間推移すると予想」
「FRBメンバー、インフレリスクはおそらく下方である可能性を指摘」
「ほとんどのメンバーは次回の会合(an upcoming meeting)でバランスシートの縮小に動くことを支持」
「特殊要因で、インフレは弱いと見ている」
「FRBメンバー、賃金のフレームワークは引き続き有効だと見ている」


☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・特になし

<海外>
・特になし



<HT>

情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~日経平均は小幅続落、物色の流れは中小型株にシフトも打診買いの域