9日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:調整局面ではインデックスに絡んだ買いが下支え
■外資系証券の注文動向:差し引き870万株の買い越し
■前場の注目材料:SUMCO、生産能力増強、半導体ウエハー436億円投資


■調整局面ではインデックスに絡んだ買いが下支え

9日の日本株市場は、こう着感の強い相場展開が続こう。8日の米国市場は、ハイテク中心に買いが先行したものの、地政学リスクへの警戒感が高まる中、引けにかけ下げに転じている。シカゴ日経225先物清算値は、大阪比45円安の19935円。また、円相場は1ドル110円10銭辺りでの推移となり、この流れを受けて売り先行の展開になりそうだ。

ただし、決算発表が本格化する中で積極的な売買は手控えられているほか、海外勢は実質夏季休暇で参加者が限られているとの見方もあり、売り先行後は底堅さが意識されるだろう。日経平均はもち合いレンジ下限レベルでの底堅い展開も。また、世界株価が上昇基調のなか、日本株の相対的な出遅れ感が意識されている。調整局面ではインデックスに絡んだ買いが下支えとなろう。

物色は決算内容を手掛かりとした個別対応のほか、昨日、自律反発の動きをみせていた中小型株の動向が注目される。米ハイテク株は買い先行で始まったが、北朝鮮の地政学リスクへの警戒から引けにかけて利食いに押されていた。この流れが波及する格好から利食い先行になりそうだが、足元で調整一巡感もあり、押し目買い意欲の強さを見極めたいところである。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■外資系証券の注文動向:差し引き870万株の買い越し

朝の外資系証券5社経由の注文状況は、売り1020万株、買い1890万株、差し引き870万株の買い越しとの観測。

08月02日(水):140万株の買い越し
08月03日(木):200万株の買い越し
08月04日(金):60万株の買い越し
08月07日(月):130万株の買い越し
08月08日(火):10万株の売り越し


■前場の注目材料

・好業績銘柄への物色意欲強い
・東芝、上場廃止ひとまず回避
・労働力調査、長期失業が19年ぶり低水準
・ビットコイン、初の3500ドル台
・マザーズ指数上昇、中小型株に自律反発の動き

・東芝<6502>、決算「限定付き適正」、前期、監査法人が方針
・SUMCO<3436>、生産能力増強、半導体ウエハー436億円投資
・マツダ<7261>、新エンジン燃費、3割改善
・塩野義製<4507>、1日1回投与インフル薬、来春にも発売
・シャープ<6753>、空き設備紹介、IoT機器、量産を支援
・SUBARU<7270>新型2400cc量産、大型SUV用、北米に投入
・ブリヂストン<5108>ラジアルタイヤ、印で量産、22年1.6倍、335億円投資
・三菱電<6503>高精度測位情報、世界提供へ、GNSS活用、独ボッシュなどと合弁


☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・10:10  国債買い入れオペ(残存期間5年超10年以下と10年超)(日本銀行)

<海外>
・10:30  中・消費者物価指数(7月)  1.5%  1.5%
・10:30  中・生産者物価指数(7月)  5.6%  5.5%



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情報提供元: FISCO
記事名:「 前場に注目すべき3つのポイント~調整局面ではインデックスに絡んだ買いが下支え