12日の後場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

・日経平均は反落、金融セクターへの資金シフトが安心感に
・ドル・円は110円25銭、もみあい、FOMC控え動きづらい展開
・値下がり寄与トップはファーストリテ、同2位はソフトバンクG


■日経平均は反落、金融セクターへの資金シフトが安心感に

日経平均は反落。71.46円安の19941.80円(出来高概算9億7000万株)で前場の取引を終えた。9日の米国市場ではハイテク株の下げが目立つなか、日経平均は利食い先行で始まった。とりわけ半導体のエヌビディアが大幅下落となり、関連性からソフトバンクG<9984>への利益確定の流れが強まるなか、日経平均への重しとなった。

ただし、米FOMCで利上げが確実視されているほか、原油相場の上昇もあり、セクターでは保険や石油石炭が堅調。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が1000を超えており、全体の過半数を占めている。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンクGのほか、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、TDK<6762>が冴えない。

米アップルやエヌビディアなどの下落を受けて、ハイテク株を中心とした関連銘柄への利益確定の動きが目立っている。ただし、売り先行後は下げ渋りをみせていることもあり、センチメントはそれ程悪くないようである。中小型株などは売り一巡後に切り返す動きも目立っており、押し目買い意欲の強さが窺える。

また、金融セクターの一角がしっかりである。米下院は8日、2010年制定の金融規制改革法(ドッド・フランク法)の多くの条項を緩和する「金融選択法案」を可決した。上院では可決に必要な賛成票を得られない見通しで、成立は難しいとみられているが、ハイテクセクターへの利益確定が強まるなか、金融セクターへの資金シフトが安心感にもつながっている。

(株式部長・アナリスト 村瀬智一)


■ドル・円は110円25銭、もみあい、FOMC控え動きづらい展開

12日午前の東京外為市場でドル・円はもみあい。材料が乏しく、積極的に仕掛けづらい展開となった。ドル・円は、日経平均株価が前週末比100円程度下げた場面では、ややリスク選好的なムードが広がり、110円16銭まで下落。ただ、その後日経平均が下げ幅を縮小したことで、ドルは値を戻す展開となった。

13-14日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に積極的に動きづらいなか、利上げが確実視されドルは売りにくいもよう。日経平均が後場プラス圏に切り返せば、ドルは小幅に上昇しそうだ。

ここまでのドル・円の取引レンジは110円16銭から110円44銭、ユーロ・円は123円43銭から123円75銭、ユーロ・ドルは1.1197ドルから1.1210ドルで推移した。

12時15分時点のドル・円は110円25銭、ユーロ・円は123円54銭、ポンド・円は140円65銭、豪ドル・円は82円97銭で推移している。

(為替・債券アナリスト 吉池威)


■後場のチェック銘柄

・ケア21<2373>やアンジェスMG<4563>など12社がストップ高

※一時ストップ高・安(気配値)を含みます

・値下がり寄与トップはファーストリテ<9983>、同2位はソフトバンクG<9984>となり、2銘柄で日経平均を約64円押し下げ。

・4月機械受注
前月比-3.1%(予想:+0.5%、3月:+1.4%)

・5月企業物価指数
前年比+2.1%(予想:+2.1%、4月:+2.1%)

☆後場の注目スケジュール☆

<国内>
・15:00  工作機械受注(5月)    34.7 %

<海外>
・特になし



<SK>

情報提供元: FISCO
記事名:「 後場に注目すべき3つのポイント~日経平均は反落、金融セクターへの資金シフトが安心感に