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「野菜と健康!」
野菜飲料市場のシェアの高いカゴメ<2811>伊藤園<2593>等の株価が順調に高騰している。高齢化社会での健康への関心、また、若者や子供の野菜不足が話題になっている今日、野菜に対する真摯な取り組みをする会社は注目に値する。
これらの業績を後押ししているひとつの背景は、最近研究の進む第7の栄養素(機能性化学物質)と呼ばれるファイトケミカルの健康への効果の認識と、消費者庁が平成27年より始めた、栄養素としての機能性成分の指定と機能性指定商品の認可による商品の差別化である。
・カゴメは、「野菜の会社」を目指し、野菜の王様、トマトの研究、トマトの栽培、トマトの加工の長年経験を生かし、トマトを中心とした野菜や野菜の加工品の提供に真剣に取り組んでいる。トマトの持つリコピンの善玉コレステロールを増やす働きを全面に出し、主力のトマトジュースを進化させ、さらにトマトのパック販売やトマトを含む野菜ジュースでビジネスを拡大している。
・伊藤園は、「健康体を願って」の標語を前面に出し、主力の緑茶でのビジネスも順調だが、野菜では「にんじん」に注目し、独自の原料と製法でこだわりのにんじん作りを行っている。そのにんじんを主原料とした野菜ジュースのビジネスも好調である。
抗酸化や解毒、免疫、更年期障害改善の機能等を持つファイトケミカルの例としては、
・ブロッコリーのスルフォラファン
・モロヘイヤ、人参やかぼちゃのカロテン
・トマトに含まれるリコピン
・ぶどう、ブルーベリーに含まれるアントシアニン
・大豆に含まれるイソフラボン
・きのこに含まれるグルカン
・緑茶に含まれるカテキン
などある。
大豆にこだわるフジッコ<2908>や、野菜ジュースでは、「16種類の野菜」で有名な世田谷自然食品<未上場>などの会社もビジネスは追い風である。
短期的に広告、宣伝で勝負する健康サプリのような下流加工商品に集中する会社は、長続きは難しく生き延びるのは大変だ。野菜やハーブや酵母等の持つ本来の力が、再認識されつつある今日、長期的な観点で、カゴメや伊藤園のようにその上流で「ある機能植物に特化して、その研究栽培も含めてトップランナーとしてのブランドを築き上げていく」そんな会社が、将来海外でも日本の強みである食品力を発揮する事業拡大ができる会社ではないかと期待している。
執筆者名:三竿郁夫IA工房代表
ブログ名: 「IA工房」
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