■NY株式:ダウは372ドル安、トランプ政権への先行き不透明感強まる

NYダウ         ナスダック
終値:20606.93   終値:6011.24
前日比:-372.82   前日比:-158.63
始値:20846.17   始値:6108.62
高値:20846.17   高値:6122.87
安値:20601.08   安値:6009.48

17日の米国株式相場は下落。ダウ平均は372.82ドル安の20606.93、ナスダックは158.63ポイント安の6011.24で取引を終了した。トランプ大統領が、ロシア外相に機密情報を漏洩したとの疑惑や、ロシア高官との接触が疑われたフリン前大統領補佐官に関する捜査終了をFBIに求めたことなどを巡り、弾劾される可能性が浮上し売りが先行。減税法案など重要法案の成立に懐疑的な見方が広がり、終日軟調推移となった。セクター別では、家庭用品・パーソナル用品や不動産が上昇する一方で銀行や半導体・半導体製造装置が下落した。

半導体メーカーのアドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)は、楽観的な長期見通しに対して複数のアナリストが懐疑的な見方を示し、大幅下落。政策実現への不透明感から米国債利回りが低下し、ゴールドマンサックス(GS)やJPモルガン(JPM)などの金融各社が軒並み下落。エンターテイメントのウォルト・ディズニー(DIS)は一部アナリストによる投資判断引き下げを受け、売られた。一方で、ディスカウントストアのターゲット(TGT)は決算内容が好感され上昇した。

ネットワーク機器メーカーのシスコ・システムズ(CSCO)はマーケット終了後に2-4月期決算を発表、売上高、一株利益ともに予想を上振れたものの、翌四半期の業績見通しは下振れた。時間外取引で下落して推移している。

Horiko Capital Management LLC


■NY為替:ドルは大幅下落、トランプ政権は存続危機に直面

17日のニューヨーク外為市場でドル・円は、112円36銭から110円80銭まで下落し、110円83銭で引けた。トランプ米大統領がロシアに機密情報を漏えいとの報道に続いて、大統領が解任したコミ—前連邦捜査局(FBI)長官の在任中に、フリン前大統領補佐官とロシアの関係を巡る捜査を打ち切るよう要請したとの報道がドル売りにつながった。トランプ政権への不信感は一段と強まり、経済政策が遅れるとの懸念でリスク回避的なドル売りが活発となった。

ユーロ・ドルは、1.1102ドルから1.1162ドルまで上昇し、1.1159ドルで引けた。米6月利上げの可能性は低下し、ユーロ買い・ドル売りが加速した。ユーロ・円は、124円86銭から123円65銭まで下落。リスク回避の円買いが強まった。ポンド・ドルは、1.2991ドルまで上昇後、1.2933ドルまで反落した。ドル・スイスは、0.9833フランから0.9775フランへ下落した。安全通貨としてのフラン買いが活発となったが、スイス国立銀行(中央銀行/SNB)総裁が「フランは依然過大評価されている」との見通しを示し、フラン高是正の介入警戒感が浮上したことでフラン買いはやや一服した。


■NY原油:反発で49.07ドル、原油在庫の減少を好感

NY原油先物6月限は反発(NYMEX原油6月限終値:49.07 ↑0.41)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物6月限は前日比+0.41ドルの49.07ドルで取引を終えた。この日公表された米原油在庫は6週連続で減少したことが要因。石油輸出国機構(OPEC)主導の減産は需給関係に影響を与え始めているとの思惑が広がった。米ドル安が進んだことも原油先物の上昇を促したようだ。

市場関係者の間では、「OPEC主導の減産がさらなる在庫減少につながるかどうかを見極める必要がある」との声が聞かれているが、供給超過に対する過度の警戒感は低下しつつあるようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  22.57ドル -1.42ドル(-5.92%)
モルガン・スタンレー(MS) 40.97ドル -2.41ドル(-5.56%)
ゴールドマン・サックス(GS)213.72ドル -11.88ドル(-5.27%)
インテル(INTC)      35.04ドル -0.78ドル(-2.18%)
アップル(AAPL)      150.25ドル -5.22ドル(-3.36%)
アルファベット(GOOG)   919.62ドル -23.38ドル(-2.48%)
フェイスブック(FB)    144.85ドル -4.93ドル(-3.29%)
キャタピラー(CAT)     100.14ドル -2.20ドル(-2.15%)
アルコア(AA)       31.63ドル -0.53ドル(-1.65%)
ウォルマート(WMT)     75.12ドル +0.01ドル(+0.01%)
スプリント(S)       7.34ドル -0.60ドル(-7.56%)






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情報提供元: FISCO
記事名:「 17日の米国市場ダイジェスト:ダウは372ドル安、トランプ政権への先行き不透明感強まる