12日のドル・円相場は、東京市場では113円95銭から113円55銭で推移。欧米市場ではドル・円は一時113円20銭まで反落し、113円35銭で取引を終えた。

本日15日のドル・円は主に113円台前半で推移か。米インフレ加速の思惑は後退したが、6月利上げへの期待は持続している。新たなドル売り材料が提供されない場合、リスク回避的なドル売りがさらに広がる可能性は低いとみられる。

12-13日にイタリアで開かれた主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議では、サイバー犯罪に対する連携強化や通貨安競争の回避などを盛り込んだ共同声明が採択された。市場関係者の一部が期待していた貿易問題についての踏み込んだ議論はなかったもようだ。

報道によると、今回のG7会合で採択された共同声明は、「財政、構造、金融面を含むあらゆる政策ツールを活用し、経済成長の押し上げを図る」との内容だった。為替については「競争力のために為替レートを目標にしないことをあらためて確認する」との見解が示された。

市場関係者の間では、雇用創出のための財政政策の活用が声明に盛り込まれたことは評価できるとの声が聞かれている。金融政策(金融緩和策)に対する過度の依存が否定されたわけではないが、持続的な成長実現のためには、財政政策の活用が必要不可欠であるとの認識が広がっていることが確認された。日本銀行と欧州中央銀行の対応が改めて注目されそうだ。声明では公的債務を持続的な水準に抑制すべきとの指摘も含まれているが、各国政府が節度ある財政支出を実行することによって、短期的な債務増大に対する懸念が強まることはないとみられる。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:リスク回避の円買い拡大の可能性低い