以下は、フィスコソーシャルレポーターの個人投資家兜町放浪記氏(ブログ「兜町放浪記」を運営)が執筆したコメントです。フィスコでは、情報を積極的に発信する個人の方と連携し、より多様な情報を投資家の皆様に向けて発信することに努めております。

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※2017年4月13日9時に執筆

一昨日の夕刻に東芝<6502>の第3四半期決算が公表された。これまで2回延期されてきたうえ、その内容について監査法人が適正意見を表明しない、いわゆる企業会計のプロの担保のない東芝オリジナルの決算が表明される異例の事態となっている。

そもそも東芝の経営危機は粉飾決算を疑われるような不正会計の指摘からボロがでた経緯がある。ここで言う「粉飾決算を疑われるような不正会計」とは、後に決算を修正しなければならないような「現実よりも業績をよく見せるために嘘をついり、実態を隠したりする行為」を差す。

四半期決算を迎えるたびに新たな巨額損失が浮上し、投資家は監査法人が東芝側の協力を得られているのか疑心暗鬼になっている。

客観的に見て企業と監査法人の信頼関係がない現状を東芝経営陣は強行突破しようとしている。信用不安を背景とした株価下落の責任を負うのは多くの株主だ。断末魔に見えなくもないこのような行為を前に東証は他人事のように時間を食いつぶすだけである。

この件は東証の投資家保護の本気度を試されていると思う。企業のサイズによっては温情や特段の配慮がなされるべきなのか。それとも上場企業としてのあるまじき損失隠し(粉飾まがいの行為)を時と場合によって大目に見る「東証裁き」を繰り返すのか。

社会的・経済的影響を取引所が考慮し、時に政治の口先介入が頻繁となり、ステークホルダーの首がつながることが「投資家保護」の名の下に行われる事態は決して正常な姿ではない。この一連の流れの中には株式投資における自己責任などどこにもない。この問題は東芝にも東証にも投資家にもひとつの回答を迫っていると思うのだ。

現在の相場は、朝鮮半島情勢の緊迫化から地政学リスクに敏感になり買い手が見当たらない地合いだ。こうしたときは見送りも大切な戦法である。防衛関連株の急騰ぶりが目を引くが、政治外交的解決を図る努力が行われている最中であり、同関連株の「暴れっぷり」に飛び乗るのはハイリスク・ローリターンかと見切りをつけている。


執筆者名:兜町放浪記
ブログ名:兜町放浪記



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情報提供元: FISCO
記事名:「 【FISCOソーシャルレポーター】個人投資家「兜町放浪記」氏:投資家保護のあり方とは?