28日のドル・円相場は、東京市場では117円37銭から117円74銭で推移。欧米市場でドルは117円81銭から117円06銭まで下落し、117円26銭で取引を終えた。


本日29日のドル・円は、117円前後で推移か。米国株安や米長期金利の低下を意識してリスク選好的なドル買いはやや抑制される可能性がある。


中国人民銀行は28日、ドル・人民元(オンショア)が一時1ドル=7.0000元を突破したとの一部報道を否定し、28日の取引レンジは6.9500元-6.9666元だったと指摘した。市場関係者の間では、人民元安をけん制する動きであるとみられている。


ドル・人民元は2015年8月11日に人民元の実質的な切り下げが行われた関係で、1ドル=6.21元近辺から6.44元まで人民元安が一気に進んだが、人民元安の流れはその後も止らず、2016年6月以降は人民元安・ドル高が加速する展開となっている。人民元の実質的切り下げ直前の水準との比較で人民元はドルに対して約12%下落している。


中国政府は通貨安による景気刺激を狙ったかもしれないが、市場関係者の間では通貨安の有効性については懐疑的な見方が多い。中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院(CASS)は今月19日、2017年の中国の経済成長率は前年比約6.5%になるとの予想を発表した。2016年の経済成長率(6.7%程度との見方)を若干下回るとみられており、通貨安の効果は限定的との声が聞かれている。市場関係者の間では、中国政府が財政出動を抑制した場合、人民元安がある程度進行しても2017年の経済成長率は中国社会科学院が予想する6.5%程度に届かないとの見方が広がっているようだ。






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情報提供元: FISCO
記事名:「 今日の為替市場ポイント:米長期金利低下などを意識してドル買い抑制も