*08:18JST NYの視点:米スタグフレ―ション懸念も浮上 米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(2/22)は前週比+2.2万件増の+24.2万件と、予想以上に増加し年初来で最高となった。マサチューセッツやカリフォルニアで増加が目だち悪天候や山火事などが響いた。ワシントンDCでの申請件数は23年3月来で最高となったが、バージニアやメリランドなどでは新規失業保険申請件数が減少しており、米政府効率化省(DOGE)による連邦職員削減の影響はまだ限定的と見られる。天候などの特別要因が指数を引き上げたと見られ、労働市場の状況の明確な判断とはならない。失業保険継続受給者数(2/15)は186.2万人と、前回186.7万人から増加予想に反し減少した。

景気減速と同時にインフレ再燃懸念も強まり、スタグフレーション懸念も浮上。米商務省が発表した10-12月期国内総生産(GDP)価格指数は前期比+2.4%と、予想外に速報値+2.2%から上方修正され、4-6月期来の高水準となり、インフレが根強い証拠となった。連邦準備制度理事会(FRB)高官もインフレへの警戒心を再び強めつつある。本年の連邦公開市場委員会(FOMC)投票権を有する米カンザスシティー連銀のシュミッド総裁は、リスクが上方に見られるため、FRBは「インフレに焦点を置く」とし、「インフレを巡るFRBの信頼においてリスクは取らない」と、インフレの根強さに対処する姿勢を表明した。FRBが注視している1月コアPCE価格指数は前年比で鈍化する見通しとなっているが予想を上回るとインフレ懸念が一層強まりドル買いを支援する可能性がある。

短期金融市場では連邦準備制度理事会(FRB)が今年最初の利下げを7月、2回目を10月に予想している。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米スタグフレ―ション懸念も浮上