*07:41JST NYの視点:FRB高官はハト派色弱める、様子見姿勢 連邦準備制度理事会(FRB)高官は、労働市場の急速な減速への警戒感を弱めつつある。同時に経済のソフトランディング期待を一段と強めた可能性がある。先週発表された9月雇用統計は失業率が予想外に低下、非農業部門雇用者数も3月来で最大の伸びとなるなど、軒並み予想を上回り労働市場の底堅さが証明された。

FRBは9月連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利下げを決定。FRBの責務においてインフレ安定や最大雇用の目標達成リスクが均衡したとし、インフレよりも、労働市場の急速な減速を懸念していることが明らかになった。9月雇用統計の結果はFRBに安心感を与えたと考えられる。

議長や副議長と同等にFOMCの中で、政策判断で影響力と持つNY連銀のウィリアムズ総裁は英フィナンシャルタイムズ紙で、FRBのスタンスは現状でソフトランディングに向け「良い位置にある」とし、また、9月の利下げは「将来の行動規則ではない」と、0.5%の利下げが自動的に決定されるわけではないことを強調した。雇用が強く米経済の健全性を保っているとの見解。また、セントルイス連銀のムサレム総裁も7日の講演で、過剰に早く、大幅な利下げを警告し、忍耐強い対応が妥当で、「斬新的利下げが望ましい」と慎重な姿勢を見せた。

クーグラー理事は8日、欧州中央銀行(ECB)主催の会議で、インフレと雇用両面のリスクを認識しており、バランスの取れたアプローチが必要との考えを示した。また、ハリケーン「ヘリ―ン」や中東の地政学的イベントは米経済見通しに影響を及ぼす可能性があるため、注視していると加えた。24年のFOMC投票権を有するアトランタ連銀のボスティック総裁は労働市場を巡り「伸びが減速も弱まっているわけではない」と認め、「経済が強過ぎ、政策修正を阻害する可能性がリスクになる」、と指摘した。当面は様子見する姿勢が示された。ドルも当面底堅く推移する可能性がある。

米国の9月中小企業楽観指数は91.5と、91.2から上昇。大統領選挙など不透明感は過去最高を記録。企業の設備投資計画の遅れにつながる可能性がある。

アトランタ連銀は7-9月期GDP見通しで3.2%と、従来の2.5%から引き上げた。

■CNBCエコノミストGDP予想:
2024:2.3%、25:1.9%、26:2.1%


<CS>
情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:FRB高官はハト派色弱める、様子見姿勢