*07:37JST NYの視点:NY連銀8月調査インフレ期待はまちまち、滞納の可能性はパンデミック来の高水準でリスクに NY連銀が発表した8月消費者調査の結果で、今後1年のインフレ期待は3.0%と、7月2.97%から小幅上昇した。3年は2.54%と、7月2.33%から0.2%上昇。一方で、連邦準備制度理事会(FRB)が期待インフレ動向を判断するうえで最も注視する長期5年のインフレ期待率は2.79%と、2.81%から小幅低下。インフレ期待の鈍化基調を証明し、利下げを正当化する。

燃料費や医療費、賃貸期待が上昇した一方、食品や教育費期待が低下。最も根強い賃貸インフレの高止まりは懸念材料となる。

労働市場関連では、失業の可能性が13.32%と、5月来の低水準となった。同時に、自主的退職の可能性は19.09%と、過去12カ月の平均19.4%を下回り、雇用者の労働市場への自信が後退しつつある証拠となった。

世帯のファイナンスでは今後3カ月に債務の最低額の支払いを滞納する可能性があるとの回答は13.64%と、13.29%から上昇。3カ月連続の上昇で、パンデミックによる経済封鎖直後の2020年4月来で最高となり、今後、消費の鈍化につながる可能性や金融市場の混乱のリスク材料ともなりうる。

■期待値
住宅価格:3.11%(3.05%)
ガス:3.62%(3.46%)
食品:4.42%(4.67%)
医療:7.97%(7.61%)
教育:5.86%(7.15%)
賃貸:7.31%(7.14%)
賃金の伸び:2.86%(2.71%)
失業の可能性:13.32%(14.27%)
自主的退職の可能性:19.09%(20.70%)
もし失職した場合、3カ月で職が見つかる:52.31%(52.5%)
今後1年の賃金の伸び:3.05%(3.03%)
今後1年の支出の伸び:5.04%(4.94%)
今後3カ月に滞納:13.64%(13.29%)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:NY連銀8月調査インフレ期待はまちまち、滞納の可能性はパンデミック来の高水準でリスクに