*07:45JST NYの視点:米6月小売売上高でPCEに上向きリスク 米商務省が発表した6月小売売上高は前月比0%と、5月分から伸び鈍化も予想を上回った。5月分は+0.3%と、+0.1%から上方修正された。自動車ディーラーが使用しているソフトウェアシステムがサイバー攻撃を受けたため、自動車販売の減少が重しとなった。自動車を除いた同月小売売上高は前月比+0.4%と、予想外に5カ月連続のプラスとなった。5月分は+0.1%と、-0.1%から上方修正された。

国内総生産(GDP)の算出に用いられる自動車、建材、給油、食品を除いたコントロールグループは、前月比+0.9%と、伸びは5月から縮小予想に反し拡大し3月来で最大。4-6月期のGDPの成長にプラスに寄与する。実質PCE支出は+0.2%予想と、PCEの上振れリスクも指摘されている。ただ、年初来のコントロールグループの伸びは過去25年来で最低ペースとなっており、労働市場や賃金の伸び減速で、年末にかけても支出は低調にとどまるとの見方が根強い。

市場では年3回の利下げが再び織り込まれ始める中、パウエル議長をはじめ、連邦準備制度理事会(FRB)が利下げの軌道にあるものの、消費が底堅くサービスインフレの鈍化には想定以上に時間がかかるリスクは存続。まだ、インフレ目標達成に向けた軌道のさらなる確信が必要と、FRBの慎重な姿勢を維持することを正当化する。

国際通貨基金(IMF)は、「ディスインフレの進展が遅く、高金利が一段と長引く可能性を警告した。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米6月小売売上高でPCEに上向きリスク