*07:42JST NYの視点:米1月ISM製造業景況指数、中東情勢が影響しコストが再び上昇、早期利下げの必要性後退 全米供給管理協会(ISM)が発表した1月ISM製造業景況指数は49.1と、12月47.1から予想以上に改善し22年10月来で最高となった。ただ、15か月連続で50割れの活動縮小を記録した。

重要項目である新規受注は52.5と、予想外に22年8月来で初めて活動の拡大となる50台を回復。22年5月来で最高となった。また、支払い価格も52.9と、やはり予想外に昨年4月来の50台を回復した。一方で製造業の雇用は47.1と12月の47.5からさらに低下し、4カ月連続で活動の縮小となる50割れを記録。

1月マークイットPMIも50.7と、昨年10月来の50台となった。ISM製造業調査委員会のフィオレ会長は成長の始まりの可能性を指摘するなど楽観的な見通しを示した。同時に、中東情勢が影響した最近の世界的なシッピングの混乱に関連し供給の遅れなどを背景にしたコストの上昇が再燃したことは懸念材料。マークイットのチーフエコノミストはもし、供給サイドのインフレが長期化した場合、今後数カ月、一部の消費物価の上方圧力となる可能性を警告した。FRBのインフレ鈍化を一段と確信したいとする方針を正当化する。

全般的に製造業の回復を示す結果は、FRBが早急に利下げに踏み切る必要がないことを示す。

■米1月ISM製造業景況指数:49.1(12月47.1)
新規受注:52.5(47.0)
支払い価格:52.9(45.2)
雇用:47.1(47.5)
生産:50.4(49.9)
受注残:44.7(45.3)
入荷遅延:49.1(47.0)
在庫:46.2(43.9)
顧客在庫:43.7(48.1)
輸出:45.2(49.9)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米1月ISM製造業景況指数、中東情勢が影響しコストが再び上昇、早期利下げの必要性後退