日本銀行は12月19-20日に開いた金融政策決定会合で、イールドカーブ・コントロール(長短金利操作、YCC)の下での10年物国債金利の許容変動幅について、従来の上下0.25ポイント幅から0.50ポイント幅に拡大することを決めた。政策金利は短期、長期ともに据え置いた。日本銀行によると、変動幅の拡大は市場機能の改善を促し、金融緩和の持続性を高める効果があるようだ。この決定を受けて米ドル・円相場は急落し、10年国債利回りは0.4%台に上昇した。日本銀行の黒田総裁は会見で、「今回の措置は利上げではない」、「変動幅のさらなる拡大は考えていない」との見方を伝えた。あくまで市場機能の低下に配慮した修正との立場を変えていない。

市場参加者の間からは、「今回の措置は金融緩和の持続性を高めることにつながると解釈できるが、日銀(黒田総裁)は金融政策の正常化に着手したと考えるべき」との声が聞かれている。長期金利の上昇で政策金利も今後変更される可能性がありそうだ。20日の日経平均は大幅安となったが、一部の市場関係者は「今日のところは将来的な長期金利の上昇が嫌気されたことで売りが増えたが、このような売りが長続きする可能性は低い」と指摘し、イールドカーブ・コントロールの許容変動幅が短期間でさらに拡大するような状況にならない限り、「日経平均は年末までに27500円程度まで回復する」との声も聞かれている。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:「日銀は金融政策の正常化に着手したのか?」