米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(10/1)は前週比2.9万件増の+21.9万件と、8月末以来の高水準となった。米失業保険継続受給者数(9/23)は136.1万人と、前回134.6万人から予想以上に増加し8月末以降で最高となった。8月JOLT求人件数も1005.3万件と、7月1117万件から10%減少、昨年6月来で最低となったほか、減少幅がパンデミック発生時2020年を除いては過去最大を記録。総失業者との差も昨年10月来で最小となるなど、連邦準備制度理事会(FRB)が警戒していた労働市場の需給の不均衡やひっ迫状況が解消基調にあることが示唆された。

しかし、労働市場のひっ迫緩和の兆しを示すいくつかの指標にもかかわらず、FRB高官は力強い利上げを継続する方針を緩めていない。FRBのクック理事は就任後初の講演において、8月の求人件数減も労働需要は依然異例の強さだと強調。インフレは引き続き容認できない高水準を維持しており、物価安定を取り戻すために利上げ継続が必要で、「FRBは当分、引き締め政策を維持する可能性が強い」とした。また、ウォラー理事も来年序盤にかけて追加利上げを想定していると言及。

ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁はインフレがピークに達した証拠は見られず、利上げ打ち止めにはかなりの道のりがあると指摘。シカゴ連銀のエバンス総裁もインフレが非常に高く、FRBの最優最優先課題になるとし、さらなる利上げが必要で、想定していると言及。また、コアインフレが高く、23年末までに政策金利であるFF金利誘導目標を4.5%-4.75%近くまで引き上げる可能性を指摘した。

カシュカリ総裁と、エバンス総裁は2023年のFOMC投票権を有すため、市場ではFRBの力強い利上げが続くとの見方が再燃した。


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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:2023年のFOMCメンバーがタカ派姿勢再確認、労働市場ひっ迫緩和の兆候も