米供給管理協会(ISM)が発表した全米の製造業況をあらわるISM製造業景況指数の8月分は52.8と、7月から低下予想に反し同水準を維持した。

主要項目である新規受注も51.3と、予想外に3カ月ぶり50を上回り活動の拡大となり、経済の弾力性を示す結果となった。雇用指数も54.2と、予想外に4カ月ぶりに50を上回り活動の拡大となった。3月来で最高となり、労働市場が引き続きひっ迫しているとのFRBの見解を裏付ける結果となった。一方で、支払い価格は52.5と、5カ月連続の低下で、予想55.3も下回り2020年6月来で最低となるなど、FRBの好ましい方向に向かっている証拠となった。

経済が十分に強く、FRBも積極的な利上げを長期にわたり継続することが正当化されることになる。

一方で、輸出受注は49.4と、25カ月活動拡大が続いたのち、活動縮小となった。中国で引き続き新型コロナ抑制の都市封鎖が続いていることやドル高が影響したと見られる。

■米8月ISM製造業景況指数:52.8(予想:51.9、7月:52.8)

新規受注:51.3(予想48.0、7月48.0)
支払い価格:52.5(予想55.3、7月60.0)
雇用:54.2(予想49.5、7月49.9)
生産:50.4(7月53.5)
受注残:53.0(7月51.3)
入荷遅延:55.1(7月55.2)
在庫:53.1(7月57.3)
輸出:49.4(7月52.6)
輸入:52.5(7月54.4)

米商務省が発表する国内総生産(GDP)と同様のモデルを用い市場で注目されるアトランタ連銀の第3四半期GDP成長率予想は2.6%と、従来1.6%から引き上げられた。米国経済が速やかに景気後退入りするとの懸念も緩和した。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米8月ISM製造業:経済の弾力性示す、FRBの長期にわたる積極的な利上げを正当化