米住宅市場に減速の兆しが見られる。米住宅産業協会(NAHB)が発表した7月NAHB住宅市場指数がパンデミックによる経済封鎖直後の20年5月来で最低を記録したことに続き米商務省が発表した6月住宅着工件数は前月比‐2%の155.9万戸と予想158.0万戸を下回り、昨年9月来で最小となった。

住宅建設許可件数は前月比−0.6%の168.5万戸と、予想を上回ったものの昨年9月来で最小。建設許可件数は2006年来の高水準に達したのち、値ごろ感の急速な悪化に伴い減少傾向にある。重要項目である一戸建ての着工件数や許可件数が大幅減少しており、住宅市場の減速の証拠となった。

住宅建設業者は、金利の急伸で購入需要の減少を見越し一戸建て建設よりも、賃貸物件の建設により焦点を置いている。一戸建ての住宅着工件数は8.1%減の98.2万戸と、2020年6月来で最低。一方で、集合住宅の着工件数は15%高の56.8万戸と、4月来で最高となった。許可件数でも一戸建ての需要は8%減の96.7万件と2020年6月来で最低。一方で、集合住宅の許可件数は13.1%増の66.6万件と、2021年12月来で最高となった。

住宅購入需要は鈍化しているものの、同時に在庫もそれ以上のペースで減少している。

アトランタ連銀は第2四半期の国内総生産(GDP)見通しで、居住住宅投資のマイナス寄与度を8.8%から10.1%に引き下げ、−1.6%と、従来の−1.5%からさらに引き下げた。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米住宅市場に減速の兆し