米連邦準備制度理事会(FRB)は14日から15日の2日間にわたり連邦公開市場委員会(FOMC)を開始した。FRBは5月のFOMCで、2000年以降で最大となる0.5%の利上げに踏み切った。インフレ抑制のために6月、7月のFOMCで0.5%の利上げを実施する姿勢を示していたが、予想を上回る最近のインフレ指標を受けて、FRBは0.75%の利上げを容認する可能性を、FEDウォッチャーが指摘。もし、FRBが0.75%の利上げに踏み切ると1994年来となる。

短期金融市場では95%の確率でFRBが0.75%の利上げに踏み切ると見ている。100ベーシスポイントの利上げはサプライズとなる。FOMC直前に発表された最新のインフレ指標、5月消費者物価指数(CPI)は予想に反し一段と伸びが拡大し、40年ぶり最大の伸びを記録。インフレがピークに達した証拠とならなかった。ブラックアウト期間により、FRBの高官らは市場への伝達ができないが、この期間にFRBメンバーはインフレ長期化のリスクへの懸念を強めたと考えられる。

パウエル議長は前回の会見で、「0.75%の利上げはFRBが検討するものではない」と消極的であった。しかし、基本的には金融政策は経済の展開次第としており、また、長期のインフレ期待の上昇は、大幅利上げに繋がるとしていた。実際、FRBがインフレ期待として注視しているミシガン大消費者信頼感指数の5年から10年の期待インフレは3.3%と、2008年以降で最高に達した。NY連銀の世論調査でも、消費者が今後1年間の物価がより早く上昇すると見ていることが明らかになった。5月の中間の1年のインフレ期待は6.6%と、前回の6.3%からさらに上昇し、調査を開始した2013年6月来で最高となった。長期のインフレ期待の上昇で大幅利上げは正当化される。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:ブラックアウト期間にFRBメンバーのインフレリスク懸念上昇か、1%利上げはサプライズ