米労働省が発表した3月消費者物価指数(CPI)は前月比+1.2%と、予想通り2月+0.8%から伸びが拡大し2005年9月以降17年ぶり最大となった。前年比では+8.5%で、伸びは2月+7.9%から予想以上に拡大し、1981年12月以降ほぼ40年ぶり最大となった。食料品やエネルギー価格の上昇が押し上げた。また、CPIの3分の1を占める家賃の伸びは前月比+0.5%、前年比で+5%と、1991年5月来で最大の伸びとなった。一方で、中古車価格の値下がりが、物価上昇を抑制。パンデミック以降、物価を押し上げてきた中古車・トラックは前月比−3.8%、前年比では+35.3%と依然大幅高だが、上昇が一段落し始めた可能性がある。

生活費の上昇幅が賃金の上昇幅を上回ったため、実質賃金は前月比‐0.8%。平均週給は前年比で‐3.6%と、統計開始以来で最大の下落率となった。また、昨年4月から12カ月連続のマイナス。

食料:前月比+1%、前年比+8.8%
エネルギー:+11%、+32%
ガソリン価格:前月比+18.3%

中古車・トラック:前月比−3.8%、前年比+35.3%、1969年来で最大の下落率を記録

連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として注視している変動の激しい食料やエネルギーを除いたコアCPIは前月比+0.3%と、予想外に2月+0.5%から鈍化し昨年9月来で最低。前年比では+6.5%と、2月+6.4%から拡大し1982年8月以降40年ぶり最大の伸びを記録したものの、予想は下回った。

コア指数は鈍化の兆しを見せたが食料品やエネルギー価格が下げ止まる兆候は見られず、一段の上昇が警戒される。また、高インフレが家計を圧迫している証拠が見られつつあり、いずれ消費鈍化にもつながる。FRBの200ベーシスポイントの年内の利上げが織り込まれつつあるが、果たして見通し通りに引き締めが進むかどうかに注目。

生産者物価指数(PPI)で、インフレピークのさらなる証拠を探る。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米3月CPIコア鈍化でインフレピーク期待