ウォール街のアナリストは、目先の成長見通しを引き下げた。新型コロナのオミクロン変異株の感染拡大が消費などに影響する可能性に加えて、ゴールドマン・サックス・グループはバイデン政権が進めている環境問題への対処や社会福祉関連を含む大規模な歳出策が当面成立の見込みがなくなったことを理由に経済成長率予想を引き下げた。

同社のエコノミストは来年の国内総生産(GDP)成長率で、1−3月期を2%(従来3%)、4−6月期を3%(同3.5%)、7−9月期を2.75%(同3%)へそれぞれ下方修正。

連邦準備制度理事会(FRB)は12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で米国経済や労働市場が非常に強く、来年にまで継続すると想定される高インフレへの対処で、量的緩和縮小ペース加速を決定。来年3月にも終了する計画を示したばかり。パウエル議長はオミクロン株が回復軌道を脱線させるようなことにはならないと言及していた。ここにきて、オミクロン変異株感染の急拡大が報告され、欧州各国では規制の強化も発表されており、回復をさらに遅らせる可能性が警戒されている。加えて、中国でも変異株拡大で、一部の工場が閉鎖されるなど、サプライチェーンの供給も解決どころか、悪化、長期化も警戒される。

同時に、オミクロン株のピークは今後2週間、短期間に終了するとの専門家の意見もあり、ドルや株価は押し目探しとなる可能性も除外できない。更なるチャイルドケアに加え、環境問題への対処や福祉政策の拡大を目指す歳出策で赤字を増やし、増税が余儀なくされる策が中長期的に米国経済にとり奏功するとは思われず、成立しなかった場合のほうが成長を助ける可能性もある。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米国経済の成長見通し引き下げ