米連邦準備制度理事会(FRB)は14日から15日にかけて連邦公開市場委員会(FOMC)を開催する。開催に先駆け、ブルーンバーグが49人のエコノミストを対象に12月3−8日に実施した調査によると、FRBがかなりタカ派色を強めると見ていることが明らかになった。FRBはこの会合でゼロ金利を維持する見通し。同時に、パウエル議長がすでに、12月会合でテーパー加速を協議する計画を示唆したが、11月に発表した国債、住宅ローン担保証券(MBS)購入ペースの月150億ドルの縮小ぺースをさらに加速する計画を発表する可能性もある。過半数のエコノミストは11月発表のほぼ2倍となる300億ドル規模で縮小すると予想していることが分かった。1月から開始し、3月には終了するとの見方が大半なようだ。

また、利上げのガイダンスにおいては、現行の「最大雇用、インフレが2%目標に達し、緩やかにいくらか2%を上回るまでは利上げの計画はない」に関しては、大きな修正はないと大半が見ている。「FRBは、必要とあれば利上げの柔軟性を持つ」と強調するとの予想が17人。また、新型コロナ、オミクロンによる成長への影響も緩やかにマイナスに影響するものの、深刻な成長鈍化にはつながらないと見ている。

オミクロンによるインフレへの影響もまちまち。供給混乱でインフレ押し上げると、29人が見ている一方、需要鈍化でインフレ低下を予想しているエコノミストもいる。

FRBの高官やエコノミストは、経済がもはや大規模緩和が必要な経済ではないと見ている。金利先物市場は2022年の利上げを2回超織り込んだ。しかし、長期の政策金利の見通しは2.5%にとどまっている。

■金融政策リスク
●インフレ
上方:42
下方:3
均衡:2
●成長
上方:11
下方:22
均衡:16

■FOMCの利上げガイダンス
修正なし:31
FRBは、利上げに近くないことを強調:0
FRBは、必要とあれば利上げの柔軟性を持つと強調:17

■オミクロンリスク
成長に深刻なリスク、リセッションの可能性0
短期、中期的な成長を緩やかに削る30
成長にほぼ影響なし16

■オミクロンのインフレへの影響
供給混乱でインフレ押し上げ:29人
需要鈍化でインフレ低下:2
インフレに大きな影響なし:16

■長期見通し
FF:2.5%
GDP:1.8%
失業率:4.0%
PCEインフレ:2.0%
コアPCEインフレ:2.0%
(ブルーンバーグ:対象49人のエコノミスト:実施12月3−8日)


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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:FRBのQE縮小、市場は規模倍増を予想