2つ目は、「当時の日本国政府の誤った判断」とする説である。日本の総合電機勢は1980年代、特にDRAM(Dynamic Random Access Memory)で世界を席巻してきたが、1990年代に一度目のDRAM不況が直撃した結果、各社はリストラを迫られた。当時の通産省主導による「包括的な半導体産業に関する国家プロジェクト」は、日本勢のファブレス化、水平分業化を阻害したとの指摘がある。また、2008年に起こった世界金融危機に各国が積極的な金融緩和策をとる中、日本のみが金融緩和を行わなかったことで数年続いた超円高が、最後に残った国際的なDRAMメーカーであるエルピーダメモリを潰した(浜田(東京大学、イエール大学名誉教授)は「日本銀行がエルピーダを潰したと言っていい」と指摘している)との批判がある。