米海軍は2016年1月、ステニス原子力空母打撃群10隻及び航空機70機の約7か月間にわたる展開に、植物油や動物の脂肪等から作られたバイオ燃料を、従来の燃料に混ぜて使用する試みを行っている。この艦隊は第2次世界大戦前の「Great White Fleet」の名前と対比させ、「Great Green Fleet」と呼称された。当初は50%をバイオ燃料で補うとされていたが、確保したバイオ燃料の制約から、実際は10%程度であったようである。この試みは「Green」という名前が冠されているように、環境問題に関心があったことは否定できないものの、むしろ、燃料消費量を削減することによる運用効率の向上があった。バイオ燃料の使用に関しては、原材料を確保するために森林破壊が進むことや穀物等の供給不足、そして多頭飼育に伴う環境への影響等について懸念が示され、必ずしも進んでいない。しかしながら、「Great Green Fleet」運用に係る各種データは、今後温室ガス排出削減の観点から、再度注目を集めるものと考えられる。