米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数(3日まで)は前週比2000件増の37.3万件と、前回から予想外に増加した。前回分も36.4万件から37.1万件へ上方修正された。申請件数の減少は滞っている。理由としては、失業者が雇用復帰よりも、政府が供給している緊急失業保険など様々な失業者優遇措置を受給することを意図的に選択していることに加えて、企業が必要としている人材と失業者の技術が相違していることなどが挙げられる。

失業保険継続受給者数(6月26日まで)は333.9万人と、前回から減少し、パンデミックによる経済封鎖が始まった昨年3月来で最小となった。前回分は346.9万人から348.4万人へ上方修正された。

失業保険緊急支援策を終了した州の継続受給者数は減少にある。連邦政府の失業保険緊急支援策は9月に失効するが、ワクチン接種が進み、ビジネス活動が正常化しつつあるため、多くの州がすでに支援策を中断している。求人件数も増加しており、雇用者獲得のためのボーナス支給などの企業努力が奏功するため、連邦政府の支援策が失効すれば申請件数が一段と減少。真の雇用の回復が実現すると期待される。

連邦準備制度理事会(FRB)もこの状況を鑑み、6月連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の中で、夏までに人材不足が解消されると予測している。



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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米労働市場の真の回復、連邦政府の支援策失効待ち