報道によると、米上院議員超党派グループはバイデン大統領が提示している大型インフラ投資計画に増税案を盛り込まない方向で調整している。バイデン大統領は6月8日までに、インフラ投資を巡る上院共和党グループとの協議を打ち切った。超党派グループと協議を進める意向とみられていた。共和党はインフラ投資計画が提示された当初から増税に反対していたが、報道によると共和党のロムニー上院議員は「増税は実施しない」と明言したそうだ。

市場関係者の間からは「大規模なインフラ投資計画が縮小されるとしても、増税が回避されることは悪い話ではない」との声が聞かれている。インフラ投資計画の規模については共和党側での協議が続いており、最終的にどの程度の規模になるか、定かではないが、米国経済の持続的な成長につながる分野への十分な投資があると市場が判断すれば、米国株式は底堅い動きを維持する可能性がありそうだ。なお、民主党指導部は単独での成立を目指す戦略をすでに推し進めている。民主党のシューマー上院院内総務は、「超党派と財政調整措置の2つを並行して進めている」と語った。関係者によると、上院の財政調整措置を活用すれば単純過半数で可決が可能となるようだが、民主党会派の議員50人全員が賛成票を投じる必要があるため、容易ではないとの見方が多い。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:難題に直面するバイデン大統領提示のインフラ投資計画