米国の労働省はワシントンで4日に最新5月雇用統計を発表する。エコノミストの平均予想で、失業率は5.8%と4月の6.1%からさらに低下する見通し。非農業部門雇用者数は67.4万人増と、4月の26.6万人増から伸びが再び拡大するとみられている。

先行指標の中で雇用統計と最も相関関係が強いとされる民間の雇用者数を示すADP雇用統計の5月分は前月比+97.8万人となった。伸びは4月+65.4万人から縮小予想に反して拡大し、2020年6月来で最大となった。さらに、5月29日までの先週分新規失業保険申請件数は前週比2万件減の38.5万件と、前回から予想以上に減少しパンデミックが始まって以降初めて40万件を割り込み、米国の労働市場が順調に回復している証拠となった。

一方で、ISM製造業の雇用は50.9と、4月55.1から大幅低下。50割れとなった昨年11月来の低水準。活動の縮小を示す50割れ寸前となった。特に米国経済の7割を消費が占めるため注目となっていたISM非製造業の5月分の雇用も55.3と、4月58.8から低下した。

パンデミックの混乱がまだ収束しておらず、季節調整なども複雑化しており、雇用統計でも変動の高さが警戒される。

■5月雇用統計の先行指標

・ADP雇用統計:
米・5月ADP雇用統計:+97.8万人(予想:+65.0万人、4月:+65.4万人←+74.2万人)

ISM製造業
雇用50.9(4月55.1)

ISM非製造業
雇用55.3(4月58.8)

・NY連銀製造業景況指数:
雇用(現状):+13.6(4月+13.9、6カ月平均+12.4)
週平均就業時間:+18.7(+12.7、6カ月平均+10.4)

6か月先
雇用:+37.3(40.1、6カ月平均28.3)
週平均就業時間:+11.4(11.6、6カ月平均+12.7)

・フィラデルフィア連銀製造業景況指数
雇用(現状):19.3(30.8、6カ月平均22.7)
週平均就業時間:35.5(29.8、28.5)

6か月先
雇用:52.1(55.7、6か月平均44.5)
週平均就業時間:23.1(22.0、6か月平均16.1)

・消費者信頼感指数(%)

雇用
十分:46.8(36.3、前年同月16.5)
不十分:41.0(49.0、54.3)
困難:12.2(14.7、29.2)

6カ月後の予想
雇用
増加:27.2(31.7、39.5)
減少:17.3(14.4、19.9)
不変:55.5(53.9、40.6)
所得
増加:14.5(17.4、14.6)
減少:9.3(10.5、15.4)
不変:76.2(72.1、70.0)


・失業保険申請件数


件数 前週比 4週平均 継続受給者数

05/29/21|   385,000|   -20,000|  428,000|   n/a
05/22/21|   405,000|   -39,000|  458,500| 3,771,000
05/15/21|   444,000|   -34,000|  504,750| 3,602,000
05/08/21|   478,000|   -29,000|  535,250| 3,738,000
05/01/21|   507,000|   -83,000|  562,250| 3,640,000
04/24/21|   590,000|    24,000|  621,000| 3,680,000
04/17/21|   566,000|   -20,000|  655,750| 3,653,000
04/10/21|   586,000|   -156,000|  678,750| 3,652,000
04/03/21|   742,000|    13,000|  723,500| 3,708,000

■市場エコノミスト予想
失業率:5.9%(4月6.1%)
非農業部門雇用者数:前月比+65.5万人(+92,6万人)
民間部門雇用者数:前月比+60万人(+21,8万人)
平均時給:予想:前月比+0.2%、前年比+1.6%(+0.7%、+0.3%)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米5月雇用統計:先行指標は雇用の順調な伸び示唆も警戒必要