日本政府が5月26日に公表した5月の月例経済報告によると、総括判断を「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」と3カ月ぶりに下方修正した。東京、大阪などで緊急事態宣言が発令されており、個人消費や業況判断が悪化したことが考慮された。

また、首都圏1都3県の知事は26日までに、今月末が期限となっている東京都の緊急事態宣言と埼玉、千葉、神奈川各県のまん延防止等重点措置の延長を、国に共同で要請することで一致した。このため、景気の統括判断についてはこの先、さらなる下方修正もあり得る状況となった。

月例経済報告の項目別では、個人消費は、4月時点の「このところ弱含んでいる」から、「このところサービス支出を中心に弱い動きとなっている」とし、判断を3カ月ぶりに引き下げている。業況判断については、「厳しさが残るなかで、持ち直しの動きに足踏みがみられる」とし、4カ月ぶりに下方修正した。輸出については、4月時点の「増加のテンポが緩やかになっている」から、「緩やかな増加が続いている」と表現が変更されている。輸出については6月以降、状況のさらなる改善が期待されるが、内需は厳しい状態が続くとみられる。なお、東京五輪の開催の是非について市場の見方は一様ではないが、市場参加者の間からは「仮に開催中止が決まっても、景気の統括判断が上方修正される保証はない」との声が聞かれている。

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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:日本政府は5月の景気判断を下方修正