皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、今週のトルコリラ円について『トルコ中銀のインフレに対する姿勢が不透明なことから、不安定な動きが続きそうだ』と述べています。

「実質金利」=「名目金利(政策金利)」−「物価上昇率(インフレ率)」、トルコリラ:政策金利19.0%−物価上昇率16.19%=実質金利+2.81%。

トルコ中央銀行は15日、主要な政策金利の1週間物レポ金利を年19%で据え置くと決めました。『利下げを望むエルドアン大統領が3月下旬に自らの主張に近い「ハト派」の総裁を据えた後、初の金融政策決定会合だったが、通貨リラの下落で利下げを断念した。同国ではインフレが加速しており、利下げを行った場合、リラの急落が懸念されていた』と解説しています。

続けて、『会合後に公表された声明では、前回あった「必要があれば追加の引き締め策を行う」との文言が削除され、追加利上げの可能性が弱まったとの見方が広がった』と伝えています。

エネルギーなどを輸入に頼るトルコでは、『通貨安はインフレに直結する。消費者物価の前年同月比でみて、足元で16%台のインフレ率は総裁交代に伴うリラ安で4~5月に一段と高まるとみられている。中銀が利下げできる環境は遠のいており、市場では利上げの必要性を指摘する声も出ている』と言及しています。

今週22日には、トルコ中銀金融政策決定会合議事録が公表されます。政策金利据え置きについて、『メンバーがどういう見解を示したのか、また、金融引き締め文言削除について、カブジュオール中銀総裁の意図を探る展開になろう』と分析しています。

一方で、『新型コロナウイルスの感染者は、直近で欧州・中東で最悪の1日あたり6万人超となり、年間5000万人が訪れるトルコ観光業の回復にも暗雲が広がっている。ロシアは年700万人の観光客を送り出しているが、15日から6月1日まで直行便の大部分が停止となる。貿易赤字を穴埋めする観光収入の減少は、慢性的な経常赤字をさらに拡大させる恐れがある』と考察しています。

また、『トルコのチャブシオール外相とギリシャのデンディアス外相は15日、トルコ首都アンカラで行われた会談後の共同記者会見で非難の応酬を繰り広げた。東地中海の海底資源開発を巡る昨年の対立激化から転じて緊張緩和を目指して行われた会談だったが、対立の根深さが浮き彫りになった。デンディアス外相が東地中海でトルコがギリシャの主権を侵害し続ければ欧州連合(EU)は制裁を科す可能性があるなどと指摘すると、チャブシオール外相も「わが国にとって全く受け入れられない非難だ」と反発した』と伝えています。

こうしたことから陳さんは、トルコリラ円の今週のレンジについて、『12.50円~14.50円で推移する』と予想しています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の4月20日付「トルコリラ円今週の予想(4月19日)」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜


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情報提供元: FISCO
記事名:「 トルコリラ円は不安定な動きが続きそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)