東京商工リサーチが1月22日に発表した「第12回 新型コロナウイルスに関するアンケート調査」によると、飲食店の「廃業検討率」は前回調査より5.0ポイント悪化し、37.8%となった。なお、今回のアンケートは新型コロナ感染者数が全国で急増した時期に実施されたものである。

12月の売上高について、「100以上」(増収)となった企業は30.3%(2,185社)で、69.6%が前年割れ(減収)という結果になった。規模別でみると、大企業の「減収企業率」は65.4%(978社中、640社)に対し、中小企業は70.3%(6,224社中、4,377社)で約5ポイント差がついた。
12月の売上高が前年同月と比較して半減(50以下)した企業を業種別にみると、「売上半減率」が最も高かったのは、「宿泊業」で33.3%(42社中、14社)だった。また、旅行や葬儀、結婚式場、劇場などを含む「生活関連サービス業、娯楽業」は32.2%(149社中、48社)、「飲食業」は32.0%(78社中、25社)で3割を超えた。

「廃業」(すべての事業を閉鎖)の可能性については、「ある」と答えた企業は6.9%(1万957社中、763社)、「ない」は93.0%(1万194社)であった。中小企業の廃業検討率は8.1%(9,150社中、744社)である。「2021年は、2020年と比較して倒産や廃業が増加すると思いますか?」という質問に対しては、「思う」が61.7%(1万1,818社中、7,295社)、「やや思う」が32.9%(3,888社)と、合計94.6%の企業が倒産や廃業の増加を予想している。

廃業を検討している企業を業種別にみると、構成比が最も高かったのは、「飲食店」の37.8%(66社中、25社)と、全業種で唯一3割を超えた。以下、「その他の生活関連サービス業」の29.6%(64社中、19社)、「道路旅客運送業」の28.5%(28社中、8社)、「宿泊業」の21.9%(41社中、9社)と続く。「廃業検討率」が2割を超える業種は、いずれもコロナ禍で三密回避や外出自粛を求められる個人消費者を主体に事業を展開している。

(株式会社フィスコ 中村孝也)

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情報提供元: FISCO
記事名:「 コロナで「BtoC」ビジネス業績が悪化【フィスコ世界経済・金融シナリオ分析会議】