現代の軍事作戦は、科学技術、特に衛星を利用した通信技術の急速な発展によって、陸海空といった20世紀型の戦闘ドメインのみならず、宇宙やサイバーといった新たなドメインを含む大規模で複雑なものになっている。異なる軍事作戦思想、組織文化、兵器体系などを持つ複数の軍種の能力を組み合わせ、決定的な時期と場所に最大の戦闘力を発揮させるため、統合ドクトリンの重要性は一層高まっている。また、多国籍軍(multinational force)や有志連合(coalition of the willing)が関与する国際紛争も多く発生し、複数の国家の能力を統一して行われる軍事作戦でも統合ドクトリンの基本的なコンセプトは有効だと考えられている。