こんにちは。フィスコ企業リサーチレポーター馬渕磨理子の「住信SBIネット銀行の気になるレポート」です。12月4日発表の米雇用統計に向けてレポートをご紹介します。その前に前回の10月雇用統計を振り返ってみましょう。

非農業部門雇用者数は前月比+63.8万人となり、増加幅は9月実績には届かなかったものの、市場予想の+58万人程度を上回りました。また、失業率も市場予想の7.6%をさらに下回る6.9%まで低下しました。平均時給は市場予想と同じ前年比+4.5%でした。

雇用統計が発表された11月6日のドル・円の動きは、良好な雇用統計を好感し103円20銭から103円70銭まで買われたものの、103円31銭で取引を終了しています。一方、ダウ工業株30種平均は、新型コロナウイルス感染者数の大幅な増加を嫌って弱含みとなり、前日終値比66.78ドル安の28323.40ドルで取引を終えています。

さて、11月の雇用統計は非農業部門雇用者数+48.6万人、失業率6.8%、平均時給は前月比+4.2%と予想されていますが、いったいどのような内容になるのでしょうか。

レポートでは、『11月については、同月中旬にかけて新規失業保険申請件数が市場予想をやや上回っており、10月実績を上回る雇用増となる可能性は低い』と予想しています。また、『新型コロナウイルスの感染者数は11月中に急増しており、感染流行が終息する兆候は確認されていないことから、雇用拡大のペースは鈍化する可能性が高いと予想されます』と伝えています。

11月雇用統計の結果を受けての外為市場の反応について、レポートでは2つのシナリオを紹介しています。

非農業部門雇用者数が予想以上に増加した場合については、『雇用市場の持続的な回復への期待が高まり、米長期金利はやや上昇すると予想されることから、リスク選好的なドル買いが優勢となる可能性があります』と予想しています。また、『失業率が市場予想を下回った場合もドル買い材料になると予想されます』と伝えています。

非農業部門雇用者数の増加幅が市場予想を下回った場合については、『雇用市場の持続的な回復への期待は後退し、リスク回避的なドル売り・円買いが多少強まる可能性があります』と予想しています。

ちなみに、11月27日は米国では恒例の「ブラックフライデー」でしたが、『コロナ禍の影響で多くの店舗で客足は例年の水準を下回っているもよう』と報じられています。オンライン販売は好調だったようですが、『個人消費は回復していないことを示唆する状況となりそうです』と伝えており、11月小売売上高への影響などが懸念されそうです。

上記の詳細コメントは、住信SBIネット銀行サイト内の「米国雇用統計」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコ企業リサーチレポーター 馬渕磨理子




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情報提供元: FISCO
記事名:「 米国雇用統計:10月の振り返りと11月のポイント「雇用拡大のペースは鈍化する可能性」 住信SBIネット銀行(馬渕磨理子)