皆さん、こんにちは。フィスコリサーチレポーター花田浩菜の気になるレポートです。今回は、トルコリラ円についてのレポートを紹介します。

陳さんはまず、今週のトルコリラ円について、『上値の重い展開なりそうだ』と予想しています。

トルコ中央銀行は、『9月24日の金融政策会合で、2年ぶりに主要な政策金利の1週間物レポレートを8.25%から10.25%へとサプライズの2%引き上げを実施した』と伝えており、『声明文では、信用の伸びを伴う経済活動の急回復を背景として、インフレが想定を上回る加速を示したことを利上げの理由とした。トルコリラが対ドル、対ユーロで史上最安値を更新する中、市場介入が功を奏しない中、トルコ中銀は利上げに踏み切ることで、通貨防衛に動いた』と述べています。

ただし、『8月消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比+11.77%と高止まる中、実質金利(名目金利−インフレ率)はマイナス-1.5%(10.25−11.77)と依然としてマイナス圏にあり、リラ売り圧力は続くだろう』とのこと。

また、『地政学リスクも懸念される』と指摘。『8月に東地中海沖での石油・ガス探査の際にトルコとギリシャのフリゲート艦が接触して以降、トルコと欧州連合(EU)間の緊張状態が続いている』と言及し、『北大西洋条約機構(NATO)加盟国でもあるトルコとギリシャが2016年に終了した「予備交渉」を再開すると表明したことを受けて状況はやや落ち着いていたが、EU首脳会議で2日、トルコが係争海域で活動を継続すれば同国に制裁を科すことを加盟国のキプロスに確約し、協議の行き詰まりを打開した』と伝えています。

『キプロスは同首脳会議前、トルコの行為を「砲艦外交」であり、自国の海域を侵犯しているとして、トルコへの制裁を要求していた。「挑発行為」がやまない場合、早ければ12月に制裁を発動する可能性があるとしている』としています。しかし、『トルコ外務省高官は、EUが最終的にトルコに制裁を科す決定を下しても、同海域における領有権を守るとの決意が揺らぐことはないと述べた』とのことです。

続けて、『旧ソ連構成国のアルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノカラバフ自治州で両国の戦闘は激化しているが、トルコは民族的にも近く同じイスラム国であるアゼルバイジャンに援軍を送っていることから、戦闘の拡大が懸念されている』と言及しています。『ロシアが事態打開に向けて仲介の姿勢を表明してもアゼルバイジャン、アルメニアはいずれも停戦への対話に否定的な立場を示している』として、『ロシアと同盟関係にあるアルメニアは、トルコがアゼルバイジャンに加勢させるためにシリア人戦闘員を送ったと主張している。ロシア外務省は名指しを避けつつも、トルコを事実上牽制したようだ』と考察。

これに対し、『エルドアン大統領は、アルメニアが係争地から撤退するまで「闘争は続く」と訴えた。アゼルバイジャンの後ろ盾であるトルコが主戦論を唱えているため、停戦は困難になっている』と分析しています。

最後に、『新型コロナウイルスの感染拡大による影響で欧州の景気低迷が長引く中、トルコの観光産業も停滞しており、観光収入の落ち込みによって経常収支が悪化している』と指摘し、今週のトルコリラ円について、『トルコを取り巻く厳しい状況から、トルコリラは戻り売りが継続しそうだ』との見解を述べています。

予想レンジは『12.50円~14.50円』としています。

参考にしてみてくださいね。

上記の詳細コメントは、ブログ「テクニカルマイスター」の10月1日付「【トルコリラ円今週の予想(10月5日)】」にまとめられていますので、ご興味があればご覧ください。

フィスコリサーチレポーター 花田浩菜



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情報提供元: FISCO
記事名:「 トルコリラ円は上値の重い展開になりそう サンワード貿易の陳氏(花田浩菜)