地上配置型のBMD能力を有するシステムやミサイルにおいて、代表的なものは三種類である。一つは、航空自衛隊(空自)が長年運用をしてきたPETRIOTシステムのPAC-3ミサイルである。他の二つのうちの一つは、米陸軍が開発した弾道弾迎撃システムのTHAAD(Terminal High Altitude Area Defense;終末高高度防空)ミサイルである。このシステムは、米軍が既に運用を開始しており、日本周辺では韓国やグアム島に配備されている。また、我が国にも当システムの中枢であるTPY-2レーダーが二基(青森県車力分屯基地、京都府経ヶ岬分屯基地)配備されている。そして、もう一つが、今回の焦点であるイージス・アショアのシステムである。このシステムは大まかに言えば、既に海自が保有しているイージス艦のBMD能力をメインにした部分の地上版である。米軍は、イージス・アショアをポーランドに配備して運用中であり、実績のある装備品となる。