ブラジルのモウラン副大統領は8月3日、自国の5G(次世代の通信規格)基地局の整備をめぐる入札について、中国の通信大手ファーウェイの入札参加を排除しない方針を改めて強調した。

副大統領は、今回の入札について、ファーウェイが有利な立場にあるとの見方を示し、われわれはファーウェイに対し「ブラジル政府のルールに従う透明度の維持」のみを求めていると強調した。また、ブラジル国内では3分の1の4G基地局がファーウェイの設備を使用しており、ファーウェイの入札を禁止した場合、既存の設備撤去などで大きな損失を蒙ると指摘した。

一方、副大統領は、米国からのファーウェイ排除圧力について、屈しない姿勢を明確にした。

ブラジルは政治面において親米路線を推進しているが、経済において実利を重視する姿勢は鮮明になっている。同国の財政難に加え、国内における新型コロナウイルス感染に収束のメドが立たないなか、5G基地局の整備に低価格かつ速やかに進める海外企業を求めることが自然な流れだと指摘された。また、ファーウェイは2020-22年の間にブラジルのサンパウロ州に携帯電話の生産工場を整備し、総額8億米ドル(約840億円)を投入する見通しだ。これにより、ブラジルでの雇用創出も期待されている。

なお、ブラジルのほか、ドイツやチリ、アルゼンチンなどもファーウェイの5Gを導入する方針だ。ただ、英国やスウェーデン、ポーランド、デンマーク、チェコなどは米国からの圧力などでファーウェイ排除を選択した。




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情報提供元: FISCO
記事名:「 【5G戦争】ブラジル:5G基地局のファーウェイ入札を歓迎、米要求を無視