欧州中央銀行(ECB)は16日に定例理事会を開催する。ECBはこの会合で金融政策を据え置く見通し。ラガルドECB総裁の会見では景気見通しリスクに注目が集まる。経済活動の再開で域内の指標は改善しており、ECBの大規模緩和、マイナス金利に加えて、的を絞った長期資金供給オペ(LTRO)、資産購入プログラムの拡大が奏功していることが強調される可能性がある。ECBのバランスシートは昨年末から1.5超ユーロ拡大した。

ただ、回復ペースは予想を下回る。欧州でのウイルス感染動向は安定しているが、米国で感染が再燃していることもあり、欧州には経済活動の完全な再開は選択肢に今のところないようだ。

また、欧州復興基金の協議をするEUサミットを控え、ECBが劇的に政策変更する可能性は少ない。復興基金が承認され景気に効果があらわれるまでは、当面政策が据え置かれる可能性が強い。今後の政策は下半期経済の回復次第となる。

バンク・オブ・アメリカのアナリストは、会合でのリスクはもし、ECBが過剰に楽観的となった場合、短期的にユーロを支えることになるが長期的には経済にマイナスになりかねずユーロ売りに繋がる可能性を指摘している。

世界各国経済はウイルス感染動向の不透明感から遅い回復が見込まれ、各国中銀は大規模緩和を当分据え置くと見られている。このため、各国間の金利差が大幅に拡大する可能性も少なく、為替市場の変動率も当面低水準で推移することになる。






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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:ECB定例理事会、市場はECBの大幅な政策修正は見込まず、サミット控え