米労働省が発表した先週分新規失業保険申請件数は前週比5.8万件減の150.8万件となった。3月のピークから減少傾向を保ったが予想129.0万件を上回った。申請件数は13週連続で100万件超え。3月中旬の経済封鎖以降の申請総件数は4600万件に達した。失業保険継続受給者数は2054.4万人で、5月に過去最多を記録しピークをつけたのち減少傾向にあるものの依然2000万人台で減少ペースは遅い。

一部のエコノミストがパンデミック危機時に季節調整の意味はなさないとして、より注目している季節調整前の結果は143万件で、前週から8.2%減または12.8万件減。経済を再開したフロリダ州で前週から2.4万件減、オクラホマ州では2万件減と大幅に減少している。

通常の保険とは別に緊急策の一環のパンデミック失業者支援策(PUA)(通常は失業保険申請ができない、自営業者、フリーランス、契約者、パートタイム従業員などが対象)の申請は760526件と、6.5万件増加した。5月末付けのPUA受給者数は2910万人。前週からは37.5万人減少した。

支給額が特別に600ドル追加される失業保険申請件数拡大策は7月末に期限を迎える。議会が延長を模索する中、パウエルFRB議長は議会に対し、失業者や小企業を支援するため「財政策は不可欠」と追加支援策を暗に促した。

米国の5月景気先行指数は前月比+2.8%と、4カ月ぶりのプラスに改善した。伸びは過去最大を記録。しかし、3月、4月の過去60年間で最大の落ちこみからの回復はかなり弱い。

米連邦公開市場委員会(FOMC)のかなり長期にわたり大規模緩和を維持する方針を正当化する結果となった。超タカ派として知られるメスター・クリーブランド連銀総裁は国内総生産(GDP)で危機前の成長水準に回復するには1,2年かかるとの見解を示している。







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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米労働市場の回復遅く、FRBの大規模緩和継続を正当化