スイス、ダボスでは世界経済フォーラム年次総会が21日から24日まで開催されており、各国の政治家や著名投資家が出席、その発言に注目が集まる。

著名投資家のポール・チューダー・ジョーンズ氏はインタビューで、景気底入れを目指した各国中銀による歴史的な低金利政策や各国政府による財政政策が株式相場を押し上げて、「正気を失った状態」と警鐘を鳴らした。昨今の株式相場が1999年と類似していると指摘。最終的にはドットコムバブルを形成し、その後に崩壊が導かれた。ジョーンズ氏は1999年の米国経済でPCEは1.6%、CPIも2.3%で全く現在と類似していると指摘。違うのは当時の米国の政策金利であるFFが4.75%であったことに対して、現行で1.62%で非常に低いということ。

ナスダックは現行と同じような状況から、ドットコムバブル崩壊までほぼ2倍近く上昇している。バブル崩壊までには、さらなる急伸が予想される。

同氏はまた、新型コロナウイルスの感染拡大が与える経済や金融市場の影響も警告。致死性の重症急性呼吸器症候群(SARS)が蔓延した2003年に中国経済はGDPで2%ポイント削減された。株式相場も急落。

低金利や財政策が当面継続することが予想されることからバブル形成までにはまだ上昇の余地があり時間がかかると見るが、その過程では、慎重な対応も必要となりそうだ。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:株式相場が史上最高値を更新する中、署名投資家の警鐘も