米供給管理協会(ISM)が発表した12月ISM非製造業景況指数は55.0と、11月の53.9から予想以上に上昇し8月来最高となった。予想外に10年ぶり低水準に落ち込んだISM製造業指数とは対照的な結果となった。

ただ、2019年通年の平均は55.5にとどまり3年ぶり低水準で、2018年の58.9から低下。また、項目別では主要項目となる新規受注が54.9と、11月57.1や6カ月平均56を下回った。サービス業の雇用も50を上回ったものの55.5から55.2へ低下し雇用拡大ペースの鈍化を示唆。輸入も48.0と、4カ月連続で50を下回った。

同時に、米国経済の7割を消費が占めるためサービス業が予想通りに拡大したことは順調な成長を裏付ける。

■12月ISM非製造業景況指数

総合ビジネス景況指数:55.0(11月53.9、6カ月平均54.4)
景況指数:57.2(51.6、55.9)
新規受注:54.9(11月57.1、56.0)
仕入価格:58.5(58.5、58.1)
受注残:47.5(11月58.5、50.2)
雇用:55.2(55.5、54.0)
新規輸出受注:51.0(52.0、51.5)
輸入:48.0(45.0、49.1)

米商務省が発表した11月の貿易赤字も431億ドルの赤字となり、赤字幅は予想436億ドルを下回り10月469億ドルから縮小。トランプ政権下で最小を記録した。輸出が14億ドル増の2086億ドルとなった一方、輸入が25億ドル減の2517億ドルとなった。対中赤字は22億ドル減少の256億ドル。輸出が伸びた。トランプ大統領が選挙中から掲げていた貿易赤字是正に向けた措置が奏功した形。

貿易赤字の縮小やサービス業活動の順調な拡大で10−12月国内総生産(GDP)での順調な成長が期待される。米商務省は今月30日に10−12月期GDP速報値を発表。市場エコノミスト予想は2%成長となっている。金融機関のアナリストでは、2020年のドル安予想が台頭している。しかし、米国経済が予想ほどよわ回らず、ドルも予想されているほど下がらない可能性がある。





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情報提供元: FISCO
記事名:「 NYの視点:米10−12月GDPの成長期待、貿易赤字縮小やISM非製造業の上昇で